「遺伝子組み換え蚊」大量放出計画がフロリダで進行中! バイオ企業の不気味な動き、未知のリスク… 住民「壮大な人体実験だ」

 デング熱やジカ熱など、蚊を媒介として広がる感染症に依然として我々の社会は脆弱だ。そこで画期的なソリューションとして登場したのが遺伝子を組み替えて作られた蚊である“GM蚊”だが――。


■7万5000匹もの“GM蚊”が放たれる計画

 蚊は普段はミツバチなどと同じように花のミツなどを主食としているのだが、産卵期を迎えたメスの蚊だけが、タンパク質を求めて人間などの血を吸うようになる。そして、この時にデング熱やジカ熱などの危険な感染症を人間に感染させる場合があるのだ。

 したがって、我々が恐れるべきは産卵期のメスの蚊ということになるのだが、そこで“GM蚊”という画期的な解決策が登場している。

 イギリスに拠点を置くバイオテクノロジー企業「オキシテック(Oxitec)」が開発したGM蚊は、子孫のメスだけを短命にするように遺伝子が改変されている、このGM蚊のオスを自然環境に放ち、野生のメスの蚊と交尾させることで、そのメスの子どもの蚊を短命にして、産卵期の前に消滅させるという画期的な“戦略”がバイオテクノロジー技術によって考案されたのだ。

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「Undark」の記事より

 生まれたオスの蚊は短命ではないので、さらに交尾をすることでこの組み替えられた遺伝子を後世に伝えることができる。こうしてメスが減ることを契機に、一帯の蚊の総数が徐々に減っていく仕組みである。

 遺伝子組み換えに技術よって短命にさせられたメスなのだが、抗生物質(テトラサイクリン)を投与すれば長く生き続けられるようになるということだ。

 そして間もなく、7万5000匹ものGM蚊が米フロリダ州フロリダキーズに放たれる予定だ。この計画は米環境保護局(EPA)が作年5月に、フロリダ州は昨年6月に承認している。

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「Undark」の記事より

■地元の反対派グループ「これは人体実験だ」

 これまでにもブラジルやケイマン諸島などで試験的に放たれてきたGM蚊だが、これほどまでの数をフロリダの地に放ってしまってよいものなのか。あまりにも不気味なGM蚊については一部では反対運動が根強い。また、一部の科学者はGM蚊を放つことにリスクがあることを指摘している。

 ノースカロライナ州立大学の遺伝子工学および社会センターの共同創設者兼共同ディレクターであるジェニファー・クズマ氏によると、抗生物質のテトラサイクリンは、農業、特に柑橘類の果樹園での細菌感染を予防し、下水処理場の細菌を駆除するためにフロリダで一般的に使用されていると説明する。したがってGM蚊のメスが生き残りやすい環境が少なくないというのである。

 オキシテックのGM蚊の懐疑論者には、地元住民、医師、科学者、環境活動家が含まれている。彼らは必ずしも遺伝子組み換え技術反対論者ではないのだが、こまでのオキシテックの取り組みに信頼を抱けない旨を述べており、それには試験放流したエリアでのモニターの欠如などが挙げられている。また、EPAの承認前に地元コミュニティが同意する機会を与えられていなかったとの主張もあるようだ。地元の反対派グループは地元民がこのままでは人体実験の“実験台”にされてしまうのだと訴えている。

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