ダークサイドに堕ちた「拝み屋」の実態! 呪いと祈りと悪魔…体験者が告白!
■霊感に悩んだかずま
かずまは10代の頃から火事や地震を予知することで有名で、将来を心配したご両親に神社に預けられたそうです。元々神社に所属して、拝み屋として活動していました。男女ペアで活動していたところ、パートナーである女性が自分の霊感に悩み、自殺。その時にかずまは「これだけ人の幸せを願って神に祈りをささげてきたのに、自分のパートナー一人守れなかった。神なんか嘘つきだ!」とやけくそになり、神社から離れ、数年自堕落な生活を送ったそうです。SNSで遊んでいたところ、迷える子羊な私を発見し、「もう霊感に悩んで自殺をするなんて人は見たくない」と思い、私に声をかけたとのことでした。
師匠としてのかずまは完璧で、まずは足腰を鍛えることからスタートし、能力のコントロールの仕方、もらってしまった時(霊能者という仕事は、依頼主さんから「負」の感情なり、ものをもらってしまい、体調を崩すことがあります)の立て直し方まで、ありとあらゆることを教えてくれました。
しかし、かずまの経歴は胡散臭く、私は師匠について誰かに聞かれると説明に困りました。
■悪魔に魅入られたかずま
かずまは神社を離れた後に、秘密結社に所属して、悪魔を崇拝し始めます。そして、その呪いの力が強いことを認められ、教祖(本人はお飾り教祖だったと言いますが)を経験し、フリーとなり、指名制で仕事を受ける呪い屋になりました。
そして、仕事の依頼を受けるときは、スーツを着て、魔法陣を描き、色欲の悪魔 アモスダイを召喚して呪うということでした。
まるでダークサイドに堕ちたアナキン・スカイウォーカーのような話ではないですか。
だけど、最初はスターウォーズだったのが、後半はまるでドラゴンクエストかファイナルファンタジーの世界に行ってしまった感じ。私はかずまが実在の人物に思えず、「かずまの服の背中に『この人物はフィクションです』って書いてない?」と聞いたほどです。「ええ、スーツの後ろにフィクションだと書いてありますよ」と薄ら笑いをするかずまに私はどんどん惹かれていきました。
でも、私はかずまがダークサイドに堕ちた理由が分かるのです。かずまは「田口には人を呪わせるようなことはさせたくない。俺のようにはなって欲しくない」という理由から、呪う術は一切教えてくれなかったのです。
霊能者の周りには「霊能者を利用して一儲けしよう」と企む人間がたくさんいます。彼らは、最初は友達のような顔をして寄ってきて、助けが欲しいときは必死に頼んでくるのに、利用価値がなくなると「霊が見えるなんて気持ち悪い」悪口を言ってきたりする。つまり霊能者は人から裏切られることがすごく多いのです。困った時には頼りにされるのに、問題が片付いてしまえば、所詮異端な存在でしかありません。
東野圭吾の小説『白夜行』で、主人公の幸穂が「神様なんか大ウソつきだ!」と教会を破壊するシーンがあるのですが、私もそんな気持ちになることが何度もありました。
でも、そんな時にかずまは「神と悪魔ってさ、昔々に霊能者がいて、それを後世の人間が、現代の価値観で神、悪魔と仕分けしただけで、本来、同じ『人』じゃないかな。だから、俺はお前に呪い方は教えないけど、お前には俺と違って後世で『神様』と思われる鑑定をして欲しいんだよ」と言いました。
私はかずまの言葉に従って、神様なんかにはなれないけれど、少なくとも「人を幸せにできる鑑定」を日々模索して、依頼を受けています。
そんなかずまなのですが、今、願っていることは「世界平和」だそうで、毎日祝詞をあげています。
同じ人間が一方で人を失脚させる呪い屋をし、他方で世界平和を祈り祝詞を上げる。
神も悪魔も人間の心が作り出すもの。
人の心に宿るもの。
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