トランスジェンダー選手の五輪参加がもたらす不利益と分断! 「困るのはトランス当事者」(東大教授)

杉山文野氏のTwitterアカウントより

 6月25日、JOCの新理事が決まり、女性が4割を超えたと称賛されましたが、小さな揉め事がありました。JОCは、新理事の杉山文野(元フェンシング女子日本代表、東京レインボープライド共同代表理事)を女性として発表していたのです[1]。性同一性障害の診断を受けており「性自認は男性」である杉山を「女性と数えるとは!」と活動家やマスコミは怒りましたが、杉山自身は「こだわらない」という姿勢だそうです。

 他方、性自認どおりの枠で出場が決まって話題になったトランスジェンダー選手がいますね。五輪史上初めて、女子種目に生物学的男性が登場。重量挙げ女子87キロ超級のローレル・ハバード(ニュージーランド)です。IОCの規定では、「テストステロン値が1リットルあたり10ナノモル未満を12カ月間維持」が出場条件ですが、ハバードはこれをクリアしたうえ、性別適合手術も受けているので、資格に何の問題もないでしょう。

 とはいえネットなどで疑問や批判が高まっており、これまでの流れからすると通報され削除されて当然と思われるような多数の発言が今は放置状態になっています。批判の声が多すぎて、「トランス女性は女性です」派の活動家もいちいち糾弾しきれないのでしょうか。

ローレル・ハバード/「New Zealand Olympic Committee」より

 それでも人権活動家は、問われれば答えざるをえなくなります。NGO人権団体の中で最も影響力ある「ACLU(アメリカ自由人権協会)」の代表が、合衆国下院司法委員会でこう問われました。

「オリンピックチームの女子代表が全員、生物学的男性で占められたとしても、あなたはそれを支持するのか?」

 ACLU代表は苦笑いしながら「架空の話は避けたい」などと時間稼ぎした揚げ句、「トランス女性は女性です」と決まり文句で逃げてしまいました[2]

 上っ面の人権主義に振り回された〈マイノリティ支援〉[3]の悲喜劇が幕を開けましたね。生物学的男性を女性種目に参加させることの弊害は数えきれません。

 まず、生物学的女性が活躍する場が侵される害悪はもちろんのこと、それに加えて、トランス女性にチャンスが与えられるのにトランス男性にはチャンスなし、という男女格差拡大も問題です。男が女を圧迫する局面がまた一つ増えてしまった。この事態に怒りを感じるどころか生物学的女性に忍耐を呼びかける自称フェミニストが少なくないのは驚くべきことです。そういう女性らは、似非思想に洗脳された哀れな犠牲者と言うべきですね。

[1] https://mainichi.jp/articles/20210626/k00/00m/050/278000c

[2] https://twitter.com/SaveWomensSport/status/1359537041378316288

[3] 当事者の表面上の言い分を肯定することが「支援」であるとされているが、もちろん本当の支援とは、そんな安易なものではない。

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