「最良のフェミニズム理論」を東大教授が徹底解説!
膣オーガズム、レズビアン、インターセクショナリズム…「最良のフェミニズム理論」を東大教授が徹底解説!

『フェミニズム大図鑑』(ハンナ・マッケンほか著、三省堂)という本を読んでみました。18世紀以降の女性運動を概観した図版入り啓蒙書。多くの地域・文化圏について書かれていて、それはそれで事情はわかるのですが、イスラム圏やアフリカの実情を解説されても、はじめからわかっていたことの確認にしかならない。欧米の先端的思潮をもっと多く、理論本位で紹介してほしいところでした。
それでも、こうした通史の一気読みは、大きな論理構造に気づかせる効果があるものです。とくに、フェミニストの3つの潮流。はじめは2つ、やがてもう1つ分かれたという図式が(明示されてはいないが)私には見えてきました。
●膣オーガズム vs.レズビアン
はじめの2つの派閥を分けるキーワードは「レズビアン」です。LであることをフェミニストのIDとする人々と、そうでない人々。言い換えれば、性関係で男都合を拒絶し、女の基準を守ろうとする派と、男の基準を内面化し、真っ向から受けて立つ派です。
「女の解放」「社会進出」「性の解放」といったスローガンと合致するのは後者ですね。
ただ、月経や妊娠を心配しながらセックスを男並みに楽しむのは無理がある。そこで毅然たるレズビアン主義が発動されました。クリトリスオーガズムが膣オーガズムに劣るなどと、誰が決めたのか? フロイトという男ではないか。女には女の性欲がある。男の身勝手な挿入至上イデオロギーに女が合わせる義理はない!

「レズビアン」はメタファー(あるいはメトニミー)で、一般には、男と寝ても挿入させない姿勢を表わします。言いなりにならず、女の快楽様式を堅持する姿勢。PIV(ペニス・イン・ヴァギナ)という非対称な性関係に男女差別の元凶を見る哲学と言えます。
男と抱き合うだけ抱き合って、挿入なしで心ゆくまでイチャイチャというのは、多くの女性にとって理想でしょう。思えば男からしても、挿入→射精→独りヨガリを懸念しながらの賢者タイム……という予定調和に彼女を巻き込むよりも、終点なき女性的密着モードに漫然と浸る方が楽しい……と開眼するのは、生まれ変わったような喜びであるはず。レズビアニズムは、男に対する啓蒙活動でもあるわけです。
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