レズビアンはどの程度ペニスを許容するのか? 無責任な「LGBT差別解消」が有害である理由を東大教授が徹底解説!

ハイパースカトロジスト(超糞便学者)としても知られる稀代の哲学者・三浦俊彦(東京大学教授)が、世の中の“ウンコな正論”を哲学的直観で分析する【超スカトロジスト時評】――

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三浦俊彦教授

 「売春防止法」は、どうして「売春禁止法」ではないのでしょうか。

 個々の性行為が売春かどうか、売春だとしてどこがどう悪いか、そういった判定が難しいからです。成人間の売春のほとんどは、当人同士の自由意思で成立しており、行きずりの性行為との区別はハッキリしません。

 これは個人間の自由売春に限ったことでなく、管理売春(風俗店)の場合も同じ。客と従業員がその場で恋愛関係になりセックスに至った、という理屈でソープランドなどが成り立っているわけですが、双方の利害が一致するなら、誰にも迷惑はかかりません。むやみに取り締まると、個人の性的自由を抑圧することになりかねませんね。

 というわけで、個別の性行為そのものを直接に禁止し処罰するのは非現実的なのです。

 それでも、売春は全体として悪影響を及ぼすに違いない。そういう倫理観を持つ社会は(その倫理観が正しいかどうかは別にして)どう対処したらよいでしょうか。個別の性行為が「売春」に該当するか、該当したとして悪をもたらすか、その二つの判定を保留にしたまま、一般的に売春を増やしがちな種類の行為を禁止する――というやり方が現実的です。

 勧誘、宣伝、斡旋、前貸し、場所提供などを取り締まるわけですね。

 売春者と客は罰せず。あくまで「売春を助長する行為」を罰する。「禁止法」ではなく「防止法」とはそういうことです。

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画像は「getty images」より

 これは自殺の法的扱いと同じです。「自殺防止法」なるものはありませんが、自殺未遂者が処罰されない反面、自殺を勧める、強要する、手伝う等は厳しく罰せられる。事実上、「自殺禁止法」ならぬ「自殺防止法」が施行されていることがわかります。

 このように、法律の目的が「禁止」か「防止」かでは理念が異なり、適用が異なります。さて、いま、自殺・売春と無縁でないある法律の名前と内容をめぐって、国会がモメそうですね。そう、LGBT法案です。

 与党による「LGBT理解増進法」[1]、野党5党1会派(国民、立憲、無会、共産、社民、自由)による「LGBT差別解消法」[2]、民間団体のLGBT法連合会[3]による「LGBT差別禁止法」[4]。この三つの法案それぞれの内容については御自分で確かめていただくとして、ここでは名前に考察を絞りましょう。法制定時の名称は大切です。名は自ずと内容を規定し、後の「改正」の際の方向付けも決定するからです。

[1] 正式名称「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律」https://www.jimin.jp/news/policy/132172.html
[2] 正式名称「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律」https://www.dpfp.or.jp/article/200892

[3] 正式名称「性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会」
[4]http://lgbtetc.jp/wp/wp-content/uploads/2016/03/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%81%E7%B5%B5%E4%BB%98%E3%81%8D%E7%A7%81%E6%A1%88.pdf 国連が各国に求める方針に従う唯一の法案だが、 ロビー活動の一環であり狭義の「法案」ではない。