高齢男性の精子で生まれた子どもに“深刻な健康リスク”発覚! “羊水が腐る”と揶揄された女性の高齢出産だけじゃない、突然変異が受け継がれ…
歴史を振り返ると、しばしば支配層の男性の中には、高齢になっても若い妻を娶り次から次へと血のつながった子孫を残しているケースが見られる。母体が若くて健康であれば、男性側が高齢であっても生まれてくる子どもの健康には影響がないと考えられていたのだろうが、本当に高齢男性の生殖行為には何のリスクもないのだろうか?
昨今「高齢女性の羊水が腐る」という芸能人の発言が物議を醸したこともあったが、やはりその根底には女性の高齢出産について一般的にネガティブな理解があるのだろう。しかし、女性の側だけを問題視するのは科学的に正しくなかったようだ。最新の研究によると、高齢男性の精子は、生まれてくる子どもに自閉症や先天性心疾患を引き起こすリスクが高まることが報告されている。高齢になってからの子作りは女性の側のみならず、男性の側にもそれなりにリスクがあるということだ。
■高齢男性の精子で生まれた子どもにASD発症リスク
2021年8月、米カリフォルニア州サンディエゴの小児科遺伝子治療研究機関「Rady Children’s Institute for Genomic Medicine」とカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の研究チームが学術誌「Cell」で発表した研究では、年配の男性の精子の突然変異は子どもに受け継がれ、心臓病や自閉症などの健康障害を引き起こす可能性があることが報告されている。
我々の身体では日々膨大な数の細胞分裂が行われているが、その中でごくわずかではあるが突然変異は必ず起こるといわれている。もしも何らかの疾患につながる突然変異が起こり、精子や卵子の元になる細胞に伝わると、生殖細胞の中に突然変異のある細胞とない細胞が混在することになる。この状態を「モザイク現象」という。
「以前の研究では、精子の突然変異が(子どもの)自閉症やてんかんなどの障害の原因となり得ることが示唆されていましたが、それ以外は完全に不明でした」と研究チームのジョセフ・グリーソン博士は語る。
研究チームによれば、男性の15人に1人は(生殖細胞を通じて)子どもにネガティブな突然変異を伝えるリスクがあり、そのリスクは若い男性よりも高齢の男性のほうが高いということだ。これらの変異によって、ASD(自閉症スペクトラム障害)症例の15%、先天性心疾患、および重度の小児疾患が引き起こされている可能性もあるという。
ASDはコミュニケーションや行動に困難が生じる発達障害で、自閉症やアスペルガー症候群など、いくつかの症状も含まれ、症状は軽度から重度までさまざまである。
ASDの子どもは通常、アイコンタクトの減少、名前の呼びかけに反応しない、強迫的な反復動作を行うなどの兆候を示した後、2歳までに診断される。疾病管理予防センターによると、59人に1人の子供がASDを患っており、男の子は女の子よりもはるかに高い確率(最大4倍)で発症するという。
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2024.10.02 20:00心霊高齢男性の精子で生まれた子どもに“深刻な健康リスク”発覚! “羊水が腐る”と揶揄された女性の高齢出産だけじゃない、突然変異が受け継がれ…のページです。精子、突然変異、高齢出産、ASD、心疾患、発達障害、モザイク現象などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで