「670万の精子・卵子を月に送る計画」科学者が提唱! 月に地下施設建設、現代版「ノアの方舟」誕生へ

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 地球規模の破滅的な危機が訪れたときのために、月に地球の生物種の精子、卵子、種子を保存する——そんなアイデアが米国の科学者らから提唱され、話題となっている。月は現代の「ノアの方舟」となるのか? 科学ニュースサイト「Live Science」(3月14日付)が報じた。

Scientists want to store DNA of 6.7 million species on the moon, just in case (Live Science)

画像は「Getty Images」より引用

「月の方舟」とも呼べる計画を明らかにしたのは、米アリゾナ大学で航空宇宙学と機械工学の教授を務めるジェカン・タンガ氏らのチームである。タンガ氏はこの計画を「現代のグローバル契約保険」と呼び、地球上のあらゆる生物が死滅してしまうような破局的な事態に備え、月に地下施設を作り、精子や卵子、種子を保存するべきだと主張している。

 月開発は人類の夢であるが、その表面に水や空気はなく、気温は摂氏マイナス25度まで下がるという、人間が生きるには過酷すぎる場所である。だが、そのような環境は「月の方舟」にとってうってつけだという。

画像は「Live Science」より引用

 発表された計画書によると、生殖細胞やDNAなどを保管する施設は、月の地下にある溶岩洞を利用して建設される。この自然の地下トンネルは推定30〜40億年もの間保存されているといい、太陽からの放射、隕石、表面温度の変化から方舟を守ってくれる。必要な電力は地上に設置した太陽光発電パネルによって供給され、大切なサンプルは数百年にわたって超低温で安定して保存されることになる。

 この壮大な構想を実現するために、月までの建設資材運搬や建設工事をどうやって行うのかなど超えるべきハードルは多い。また、施設ができたとしても、地球上ほぼ全ての動物・植物・菌類など670万種のサンプルを送るのに、250回のロケット打ち上げが必要となる。これは国際宇宙ステーションを作るのに要したロケット打ち上げ回数のおよそ6倍に当たる。さらに、超低温の保管庫内で動き回れる管理用ロボットの開発も不可欠である。

画像は「Live Science」より引用

「私たちには生物多様性とそれを保護する方法について責任があります」とタンガ氏は述べ、30年後にはこの構想が可能になるはずだと推測している。

 火山の噴火、大地震、核戦争、パンデミック、隕石の衝突……と、世界破滅の原因となりうるものは数多く、月の方舟の重要性については改めて説明するまでもない。だが、そうして保存した「バックアップ」が必要になるような未来は、できることなら避けたいものだ。

参考:「Live Science」「The University of Arizona」「Daily Star」ほか


編集部

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