手足が“樹木”に変わりゆく「ツリーマン」の悲哀! 貧困・偏見に屈せず、愛と希望を胸に歩む力強い人生=バングラデシュ
バングラデシュに住むモハマド・アブル・バザダールさん(34)は、手足が樹皮のように変化する珍しい病気のため、「ツリーマン」として有名である。
モハマドさんの病気は、「ツリーマン症候群」として知られる「疣贅状表皮発育異常症」である。ヒトパピローマウイルス(HPV)5型もしくは8型のウイルスに感染することで発症する。ウイルスへの免疫抗体が産生されないと症状が悪化し、イボの発育が進んで手や足などがまるで樹木のように変化する。
ツリーマン症候群は現在まで世界で約20件程度しか報告されていないため、研究が進んでおらず、重篤な副作用のある薬でしか症状を抑制できない。以前トカナで紹介した通り、インドネシアに住むデデ・コサワさんやインドに住むラジェシュワリさんなど、ツリーマン症候群患者は日常的な生活に困難を抱え、苦境に立たされている。モハマドさんも彼らと同様の状況下にある。
モハマドさんは13~14歳のとき、体に小さなイボができ始めた。彼が成長するにつれて、イボは急速に広がっていった。伝統医学を試したが、全く効果はなかった。彼は「私の手と足は根になりました」と嘆く一方で、ツリーマン症候群の治療法は必ずあるはずだと信じて次のように語る。
「海外に行けば、もしかしたら他の治療法を見つけられるかもしれません。ここでは、医師たちは症状が広がっていくのを抑えることしかできません。しかし、これは根本的な解決策ではありません。私は経済的に貧しく不安定なので、海外で治療を受けられるだけの余裕はありません。海外の誰かが新しい治療法を見つけるのを手伝ってくれることを願っています」
妻のハリマさんはモハマドさんとの夫婦生活を幸せに思っているが、「夫が激しい痛みや苦しみから解放されれば、私たちはもっと幸せになれるのに」と述べた。モハマドさんが苦しんでいるのを見て悲しみ、彼の苦痛を和らげる方法が見つかることを願っている。
モハマドさんが道を歩いていると、距離を取ろうとする人たちもいる。彼らはモハマドさんを「ツリーマン」と呼んだり、ネガティブな言葉を投げかけることもある。そのたびにモハマドさんは悲しくなり、「私が普通の人なら、彼らはそんなことを言わないだろうに」と思うという。
モハマドさんには7歳と1歳半の娘たちがいる。モハマドさんはわんぱくな娘たちとほとんどの時間を過ごす。娘たちは父親を愛しており、父親と一緒に過ごすことを喜ぶ。このことがモハマドさんにとって大きな幸せとなっている。
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2024.10.02 20:00心霊手足が“樹木”に変わりゆく「ツリーマン」の悲哀! 貧困・偏見に屈せず、愛と希望を胸に歩む力強い人生=バングラデシュのページです。難病、バングラデシュ、疣贅状表皮発育異常症、イボ、標葉実則、ツリーマン症候群などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで