【未解決】事実は小説より奇なり…『香川県琴南町女子高生殺害事件』女子高生が次々とバイト前後に消える理由

『旧琴南町山中における女子高生被害の殺人死体遺棄事件』(香川県警

 また、本当にそうした犯人が存在するのならば、複数の未解決事件が、同一犯によるものである可能性についても、ある程度は視野に入れなくてはならないだろう。なぜなら、この手の犯行を引き起こす人間というのは、ある意味、病的に事件を犯行を繰り返す傾向を持つ者も少なくないからだ。仮に、その人物がこれらの事件に複数回関与していたとするならば、同種の女子高生失踪が、全国的に発生していることも頷ける。なぜなら、近い場所で同じような手口の事件を続け様に行うと、どうしても目を引いてしまい、逮捕されやすくなってしまうからだ。無論、ターゲットである女子高生たちの行動パターンを徹底して調べあげた上で犯行に及ぶようなタイプの人間が、そんな不用意なことをしでかすわけもなく、それが結果としてこれらの事件を未解決に至らしめているとも言えるが、もしそうならば、犯人は、どんな場所に移住しても食うに困らないような仕事に就いている特殊な技能や資格などを持った人間や、転勤族、さらには職業不定の流れ者である可能性が高くなる。ただ、犯行に車両を用いていると推測される点や、犯行全体が、ある程度、時間的にも金銭的にも余裕がなければ行えないようなタイプのものであること考慮すると、前者である可能性が高いと見るべきだろう。

 しかもある程度のインテリジェンスに基づいた計画性と論理的な思考を併せ持ち、地道な作業をコツコツと積み上げることを厭わないタイプの人物であることが、想定される犯行パターンから垣間見れる。これらの点を加味すれば、「殺人事件の被疑者」として見た場合、一般にはとてもそんなタイプには見えないような、それこそ“善良な一市民”の仮面を被って生きている人間である可能性さえあると、筆者は長年の取材経験から感じてしまう。

 無論、今回お伝えした話は、あくまで筆者の考える“一つの仮説”と、それに基づく形での“突飛な妄想”に過ぎないが、「事実は小説より奇なり」というように、そうした世迷い言が、はからずも事件解決の糸口となるケースが存在することを、筆者はこれまで幾度となく目の当たりにしている。いずれにしかり、今回の記事をキッカケに改めて多くの人々がこれらの事件について考え、捜査上、有益な情報がもたらされることを、筆者は願うばかりだ。

文=野島居慎太郎

日本の凶悪事件に詳しいライター

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