「生まれ変わりは科学で説明できる」理論物理学者がメカニズムを解説!! 死後も“余剰次元”に意識が残り…(インタビュー)
理論上、私たちの世界と表裏一体となる物質世界が高次元の中に存在するらしい。しかも、私たちの世界では物質同士はバラバラで、私とあなたはつながっていないが、高次元に存在する物質は余剰次元空間内で互いにつながっている可能性がある。高次元では私とあなたは連続しているのだ。
「この高次元にある物質が、私たちの意識の正体ではないかと考えられます。3次元にある私たちの体が死滅しても、余剰次元にある物質=意識が残っていれば、私たちは滅びない」(種市氏)
つまり、余剰次元空間内の意識が身体との結合を解除する、これが死というイベントだ。そして、遊離した意識は別の身体と結合する。これが生まれ変わりの原理というわけだ。
「問題は、3次元に生きる私たち人間と余剰次元にある意識がどのようにつながりを保ち、情報を交換しているかです。違う次元と、ごく低いエネルギーで情報交換が可能なのか、まだわかりません。しかし重力の働きが3次元と高次元では異なるらしいことがわかっています。重力が作用する距離を精密に測定していけば、比較的大きなオーダーで高次元が観測できるかもしれません。また、死ぬとタンパク質から水分子が遊離するという研究もあります。もしかしたら水が私たちの次元と高次元を結んでいる可能性があります」(種市氏)
■疑似科学と科学の間で
スピリチュアルな人たちは、よく量子力学や波動というが、生まれ変わりが量子力学で説明できるなら、彼らのいう波動セラピーや波動グッズもありえるのかといえば、それはまったくの別らしい。
「一度、波動で開運するというセミナーに参加したことがありますが、説明に使う式は全くのデタラメで、単に科学的に見せるためのツールなのでした。そしてセミナーが終わると、もっと詳しく宇宙の波動を知りたい人はたった3時間で40万円の講座を受けるように言われました」(種市氏)
そうなるともう怪しさしかないが、生まれ変わりを論じることは同様の危うさをはらむ。
仏教でも生まれ変わりを奉じる一派がある。チベット仏教では最高位の僧であり、現チベット亡命政権の指導者である法王ダライ・ラマは、歴代ダライ・ラマの生まれ変わりであり、高僧たちもまた生まれ変わっていく。ごく普通の少年が、ある日、お前は〇〇の生まれ変わりだと仏教界から指名を受けるのだそうだ。しかし、こうした生まれ変わりの考え方がカースト制を生み、謂れのない差別を生んだのも事実。また、生まれ変わりが転じて「親の因果が子に報う」という因果応報の考え方を生み、「現世の不幸はあなたの魂の修行のためにあるのだ」などと平気で言う医者までいる。
もし、実験物理が高次元空間の存在を立証できれば、生まれ変わりで一儲けを企んでいる者を一掃できるだろう。
「死んだ人とまた会うことができるという希望を持っていたいですね」(種市氏)
科学は希望のためにあり、弱みや苦しみにつけこむ道具ではない。
~おわり~
種市孝(たねいち たかし)
NPO法人IRI理論物理学研究所所長、理学修士(東京大学)。理論物理学者。
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