未解決「豊田商事会長刺殺事件」本当の黒幕! 現在も関係者変死、会長は“あえて”惨殺された!?

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 1985(昭和60年)6月18日に発生した「豊田商事会長刺殺事件(豊田商事・永野一男会長の刺殺事件)」を巡っては、今なお多くの謎が存在しており、それがかねてよりさまざまな憶測を生み続けていることは前編で少し触れた通りであるが、今回はそれらの憶測や都市伝説じみた話はひとまず脇に置いた上で、前編で指摘した「事件を事前に知っていた人物」について、少し詳しくご紹介したいと思う。

 結論から言ってしまうと、実はその「事件を事前に知っていた人物」については、筆者はかねてより交流があるのだ。といっても、筆者自身のコネクションや取材力でそうした人物を探し出したのではなく、現在までしばしば合同取材を行っているルポライターの猪俣進次郎氏が、長い歳月をかけて丹念に当時の関係者をあたり、「事件を事前に知っていた人物」と噂される何人かを特定することに成功したのである。要はその中の1人に猪俣氏が接触した際に、筆者はお誘いを受ける形で、一緒に話を聞いたのであるが、この人物は豊田商事の元社員で、営業成績が良かったのか、永野氏とも面識がある若手の幹部候補生だったという。

 その男性によると、この事件に際しては実は奇妙な点があり、実際に犯人が永野会長の自宅を襲撃するよりも前の段階で、永野氏に対して犯行予告が行われていたフシがあるのだという。無論、そうした予告が仮にあったにせよ、それが逮捕された実行犯自身が行ったものではなく、彼らとは別に、会長の命を狙っていた者、あるいは組織によって行われた可能性も否定できないが、いずれにせよ事件発生の少し前から、永野元会長は自らに差し迫る凶刃の存在を把握した上で怯えてきった様子で、一部の幹部たちもそのことを把握した上で、既に各地へと四散していたのだという。

 しかし、こうした状況がありながらも、一連の豊田商事事件に幕を引くためには、「会長の死」という要素が不可避であると関係者の多くが捉えており、会長を含む同社の上層部は、あえて襲撃を阻止しないというスタンスであったという。それゆえ、あのような白昼の惨劇が現実になったというのだ。つまり、前編の冒頭で触れた『本能寺の変』でいえば、信長や重臣たちが明智の襲撃を知っていたにもかかわらず、「あえて討たれた」という、なんとも驚くべき経緯である。

 事実、あの刺殺事件がセンセーショナルに報じられた直後から、豊田商事の引き起こした一連の詐欺事件については、大手マスコミもトーンダウンし、一気に「終戦処理モード」と化した感がある。そして、同社の引き起こした「ビジネス」という名の事件で重要な役割を果たしていた可能性が高い面々のなかには、取材はおろか、捜査の手さえ及ばぬまま雲隠れした者もいたという。

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 そこから推察するに、永野会長の惨殺事件においては、永野会長側の背後にも、犯人側の背後にも、“本当の黒幕”が存在し、何らかの目的で、事件全体を「あのような形」で終わらせたいと考え、動いていた可能性があるのではないだろうか。その本当の狙いは定かではないものの、少なくともそうした“本当の黒幕”の存在があるからこそ、犯人は阻止されるリスクを省みずにあのような形で白昼堂々と犯行に及び、永野会長も、されるがままに命を奪われたのではないか、と筆者は考えるのだ。もしそうした要素が本当に存在するとしたら、この“黒幕”の存在と、その目的が明らかにされない限り、同事件については「未解決も同然」であると筆者は考えている。

 なお、紙枚の都合上、今回はこの“黒幕”については、これ以上の言及は避けるが、前出の元・若手幹部氏によると、永野氏の惨殺事件後に“敵前逃亡”した元社員らは、何者かにか命を狙われ続け、今世紀に入ってからも逃亡・潜伏生活を余儀なくされているという。しかもその中の何人かは、不可解な形で急死したというから、それが事実ならば、とてもではないが、「解決済みの事件」とは言い難い状況にあるのだ。この事件に、果たして本当の意味での「解決」がもたらされる日はやってくるのだろうか。

※ なお、猪俣氏と共に、筆者は時折、その元若手幹部を名乗る男性と接触したが、ここ数年は、連絡がつかない状況になっていることを、最後に付記しておく。

文=野島居慎太郎

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