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オカルトとマルチを見分ける方法とは!? 『あなたを陰謀論者にする言葉』雨宮純が“危険ワード”を暴露（インタビュー）

2021.11.22 16:00 文・取材＝久野友萬

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■理系がスピにハマるわけ

　理系はオカルトを否定すると思われているが、意外と陰謀論やスピリチュアルにハマる人が多い。

「数学系のイベントに行ったら、『精神世界が好きで明晰夢をよく見るんですが……』とカルロス・カスタネダ（ニューエイジのバイブルのような作家）の本の話をされたことがあります。カスタネダ、話としては面白いんですが真実性としては相当疑わしいですよね」

　理系は世界とつながりたいという欲求があると雨宮さん。

「工学系は科学で世界を変えてやろうと思うし、理学系は宇宙の秘密を知りたいと思う。そういう欲求があると思うんです。それで学校で嫌なことがあったり、学問で解けないことが出てくるとなまじ自分で理屈をつけられるだけにオカルトやスピに向かうのもわからなくはない。私もブラック研究室で精神的に疲弊してしまい、出家でもして宗教に救いを求めるしかないのかなと思ったことがありますから」

オカルトとマルチを見分ける方法とは!? 『あなたを陰謀論者にする言葉』雨宮純が危険ワードを暴露（インタビュー）の画像5 — 雨宮純

　理系だから科学的思考を100％受け入れるというものではないだろう。そこにつけ込まれるのかもしれない。

　自己啓発やスピリチュアルは集客率が非常に高い。対して、そういうのは詐欺だから気をつけようという集まりに来る人は、マルチ商法やセミナー商法で自分や親族が被害に遭った人が中心で知識がなく、そうした詐欺に引っかかりやすい一番来て欲しい人たちには届いていない。どうすればいいのか。

「ものすごく話の面白い人と飲み会やバーベキューをするとか、陰謀論者のコミュニティより反陰謀論者のパーティが楽しいとなればそっちに行くし、考え方も変わると思います」

　雨宮さんはオカルト好きでもあるので、陰謀論者のコミュニティにも入っているそうだが、サバゲ―や飲み会が普通にあるそうだ。

「絶対楽しいと思いますよ、面白いコミュニティにはなっている。とはいえ陰謀論者の集まりなので、会話や投稿を見てると、ところどころで引っかかりますけどね」

　ところどころ引っかかるんだ。

「それに、スピリチュアルはビジネスに繋げやすいですから。反スピはそれを否定するので儲け話にはならないわけです。『こうしたら儲かる、こうしたら運気が上がる』なんて軽々しく言えない。訴求力は弱い。不利ですね」

■こんな言葉に気をつけろ！

　不思議なことは、「面白いなぁ」とオカルトを楽しんでいるうちはいいが、金がからんで自己啓発やマルチ商法に近づくとろくな結末にならない。そういう悪いオカルト、悪いスピを見分ける方法はあるのだろうか。

「会って2・3回目で将来の夢を聞いてくる人は大抵マルチ商法ですね。仮にマルチ商法じゃなくても危ない人です。老後のお金の心配とかで将来の不安を煽ってくる人も危ない」

　お金の不安をあおるって生命保険の営業マンもそうである。たしかにヤバい。

「すぐ連絡先を聞いて来たり、やたらとツイッターやフェイスブックでつながりたがるのもマルチやセミナー系ですね」

　すぐに人脈と言い出すのは、勧誘したいからだ。

「宇宙人の話題になると、普通は『E.T.』や『インデペンデンス・デイ』のように攻めてくるとか未知の生命体のイメージだと思うんですが、スピ系の人はバシャールのような宇宙意識を持ち出します」

　龍を見たとか宇宙意識とか言い出したらあぶないのでフェイドアウトした方がいい。

「それからこれは定番ですが、医療に繋がる話で波動が出たらアウトですね。出た瞬間にダメだと思ったほうがいい」

　波動はニセ科学の定番ワードだ。オカルトは楽しんでこそ。金儲けに使う不届きものとは関わらないように気をつけよう。

雨宮純（あまみや・じゅん）
オカルト・スピリチュアル・悪徳商法研究家。理工系大学院出身で、エンジニアとして働く傍ら、自己啓発やマルチ商法のウォッチャーとして評価されている。
プレジデントオンラインでマルチ商法から派生した悪徳商法集団に関する記事を連載中
https://president.jp/list/author/雨宮純

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