未解決「西那須野女子大生刺殺事件」もう一つの犯人像とは? “被害者の行動を完全把握”が意味するもの
・事件の概要は前編へ
女子大生Aさんはなぜ殺害されたのか――。無論、その直接的な動機については、犯人しか知る由もないが、少なくとも「強盗に運悪く殺害された」というケースは考えにくいだろう。なぜならAさんはルームメイトと暮らしており、場合によってはその人物が居合わせてしまう可能性も十分に考えられたからだ。
となれば、犯人はAさんの人となり、さらにはアルバイトのシフトや通学・帰宅時間などといった彼女のスケジュールに加え、同居人の行動パターンまで正確に把握していたこととなる。果たしてそのような人物がどの程度、存在するだろう。これは我々の取材活動や、興信所などの調査においても言えることだが、誰かのスケジュールや行動パターンをほぼ完璧に把握することは極めて骨の折れる作業だ。
通常ならば複数人のチームでローテーションを組んだ上で、時間も金も手間もかなりかけた上で行うような作業なのである。それを単独でやろうとすれば、想像できないほどの途轍もない労力を伴うことになることは言うまでもない。しかし、こうした作業を割と粛々と進められるタイプの犯人もいる。それは、ストーカー的な気質とスキルを持った正真正銘のストーカーだ。
被害者であるAさんは、大学での時間はもとより、アルバイト先のパチンコ店でも、不特定多数の人物に目撃・接触される可能性が高い生活を送っていた人物である。もしそうした人物の中に、ストーカー的な気質を持った人物がいたとするならばどうだろうか。実はこれが筆者の考える一つ目の犯人像である。
紙枚に限りがあるので、今回はあまり詳しくは触れないが、筆者は経験上、これとは別に、「もう一つの犯人像」というか、少しばかり「気になる点」がある。それは犯人の逃走経路・手段がほとんど見えてこないという点だ。
無論、車やバイク、自転車などを使ってすぐに退散すれば、足取りが見にくいこともあるだろうが、犯行推定時刻、現場周辺には人通りが少ないとはいえ、自宅から目撃したり、車などで周辺を通過した際にたまたま目撃するケースはあるだろう。大都会ならいさ知らず、住宅街であるとはいえ人通りが極端に少ない場所と時間で、もしそうした人物に偶然出くわしたり、目撃したのならば、もっと情報が寄せられてもおかしくないのだ。しかし、現実にはそうした情報がないことを考慮すると、犯人はAさんの住むマンションをはじめ、現場周辺に居住していた可能性が考えられるのではないだろうか。
それならば、ストーカー的な行為にかける労力も少なくできるし、逃走の際も、移動手段に悩むことなく、すぐさまそそくさと自宅に帰るだけで済ませられるのだ。おそらく、犯行後はシャワーでも浴びて、証拠隠滅をゆっくりと行い、なに食わぬ顔して“善良な隣人”として普段通りの生活をしてさえすればいい。実際、2008年4月に起きた『江東マンション神隠し殺人事件』において、逮捕された星川は被害者と同じマンションに住む隣人であった。事件発生当初、彼は“善良な隣人”である体でマスコミの取材に応じ、それがかえってアダとなる形で逮捕に繋がったが、仮に彼がそうした言動をとらなかったらどうなっていただろう。逮捕までにはさらに多くの時間が必要となったのではないだろうか。
なお、当局もこうした仮説に基づいて捜査していた部分があったのか、事件後ほどなく、Aさんと顔見知りであったと見られる中国人男性が事情聴取されているという報道があった。しかも何を隠そうこの男性は、Aさんと同じマンションの住人なのだという。たしかに、それならばややこしいカードキーの使い方も把握しているし、Aさんやルームメイトの行動パターンも掴みやすいことだろう。
また、逃げるAさんを執拗に追い回した上で殺害したのも、口封じという観点では理解できる。この男性については、決め手に欠けていたようで、結局のところ逮捕には至っていないが、同じ観点ですべての住民、それこそ、事件発生時だけでなく、直近まで住んでいた元住民や、住民の部屋に出入りしていたであろう友人・知人なども含めて捜査したらどうなるだろう。ある程度、その“候補”は絞れそうに思われるのだが、如何だろうか。
無論、例によってここまで述べた話は、筆者の妄想に過ぎないが、今回こうした話を記事にすることで、現場周辺に住む人々が、別の角度から事件を振り返り、正しい記憶を取り戻すことで、新たなる有力情報が寄せられる一助になることを期待したい。
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2024.10.02 20:00心霊未解決「西那須野女子大生刺殺事件」もう一つの犯人像とは? “被害者の行動を完全把握”が意味するもののページです。警察、ストーカー、女子大生、未解決事件シリーズ、西那須野女子大生刺殺事件などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで