【未解決】口と両手を粘着テープ…『八戸市女子中学生刺殺事件』『柴又女子大生放火殺人事件』2つの殺人事件に“奇妙な一致”!?

 1996年9月9日の午後16時30分頃、東京都葛飾区柴又にある民家で火災が発生。通報を受けて急行した消防隊により、火災そのものは18時頃に収まったが、同宅の2階から、この家に住む女子大生のAさん(当時21)の遺体が「口と両手を粘着テープで、両足をパンティーストッキングで縛られた状態」で発見された。しかもAさんは火災発生よりも前に殺害されており、犯人は証拠隠滅の目的などから同宅に火を放った、すなわち、放火殺人である可能性が濃厚となった。世にいう『柴又女子大生放火殺人事件』である。

画像は「警視庁」より


 この事件を巡っては、発生から四半世紀が過ぎた現在も解決されていない“未解決事件”であることはもとより、犯人の動機が何なのかさえ見えない点や(※強盗のように室内を荒らしながらも、自宅から持ち去られたと推測されるのは一万札1枚のみだという)、犯行に用いたパンティストッキングが特殊な「からげ結び」(かがり結び)という結び方であったにもかかわらず、該当しそうな容疑者が見当たらなかったことなど、多くの謎が今なお存在しているが、実はこの事件について考えたとき、筆者はいつもある別の事件のことがなぜか頭をよぎる。それはこの事件が起きるよりも3年ほど早い1993年10月27日に青森県で発生した『八戸市女子中学生刺殺事件』だ。

画像は「警視庁」より


 この事件は、青森県八戸市に住む女子中学生のBさん(当時14)が、部活から帰宅した後で殺害された事件だが、くしくもこの事件もまた、前出の『柴又女子大生放火殺人事件』と同様に未解決であり、不審車両や怪しい人物などに関するいくつもの情報が提供されながらも、何一つ解き明かされぬまま時が流れている事件である。ではなぜ、筆者がこの2つの事件を関連付けて記憶し、事あるごとに類似の事例を探してしまうのか。それは両事件ともに、「若い女性」が「自宅」で「わずかな時間で殺害」されているという共通項があり、その犯行内容などを見た際に、「似通った犯人像」を感じるからなのかもしれない。

<後編はこちら>

文=野島居慎太郎

日本の凶悪事件に詳しいライター

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