竜巻発生に「明らかな傾向」ついに発見!! 日本の“要注意期間”を発表… 米国の被害もその期間内だった!

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画像は「The Philadelphia Inquirer」より引用

 2021年12月10日の夜から11日(現地時間)にかけて米南部や中西部で相次いで発生した竜巻によって多数の建物が損壊し、同月15日時点で死者88人、行方不明者100人超の大災害となった。一連の竜巻は、6州で70件の発生報告があり、史上最大級のとの声もある。

 近年の日本で起きた大規模な竜巻災害としては、2012年5月6日につくば市から常総市にかけて発生したものがあり、住宅300棟が損壊、死者1名、負傷者30名の被害となった。竜巻の規模を風速で表す「藤田スケール」という指標があるが、この時は「F3」であり、日本では数年に一度レベルの大規模な竜巻だった。米国ほどではないにしても、日本でも竜巻は甚大な災害となり得るのだ。

 竜巻は台風やハリケーンとは全く性質が異なり、猛烈な風を伴う突風であり、時として鉄筋コンクリートや鉄骨の建物さえ一瞬にして崩壊させるほどの破壊力を持つ。実は、米国や日本で発生する竜巻は、筆者の調査によって海洋現象の状態に影響される可能性があることがわかってきた。いったい竜巻はどのような条件で発生するのか、詳しく解説する。

■今わかっている竜巻発生の傾向

 米国では年間1000前後の竜巻が発生するが、これは世界の竜巻のうち8割に達するともいわれ、平均すると年間50人ほどが命を落としている。日本では、気象庁によると陸上で発生するものだけで年間平均25件と、数では米国より極端に少なくなるものの、発生の単位面積で比較すると平方キロメートルあたり0.3~0.5となり、0.8の米国とそう大きく変わらない。

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画像は「Wikipedia」より引用

 米国と日本では、同じ竜巻でも発生時の気象条件などが大きく異なる。発生の季節をみると、米国では年間を通していつでも起こり得るが、日本では夏から秋にかけて、特に9~10月が多く、逆に晩冬から春先にかけての発生は少なくなる。一方の米国では、12月頃の冬季でもそれなりの数が発生している。また、発生時間は日本では正午から日没にかけての日中に起きることが多い。

 以上のように、日米における竜巻発生の傾向はある程度わかっているものの、防災・減災の観点から、もう少し予測につながるような情報がないものかと筆者が調べて行くうち、エルニーニョ・ラニーニャ・黒潮といった海洋現象がどうも関係しているのではないかと見当をつけた。以下に、米国と日本のそれぞれで、主に海洋現象の観点からわかってきた竜巻発生時期の傾向などを紹介する。

■海洋現象と竜巻発生(米国)

 改めて、今回の米国の竜巻は10日夜から11日(現地時間)にかけて、イリノイ州、ケンタッキー州、テキサス州など、主に東部の内陸部で集中して発生した。

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画像は「ウェザーニュース」より引用

 2015年の米国の研究では、筆者が考えたように、エルニーニョ・ラニーニャ現象の発生と米国各地の竜巻とハリケーンの発生頻度には相関が見られるようだ。エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。ラニーニャ現象とは、逆に同海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象のことだ。

 アメリカ海洋大気庁(NOAA)のサイトで紹介されている研究によると、米国の地域別の竜巻発生頻度は、下図のようにエルニーニョとラニーニャの発生中では顕著に異なる。上段の「Tornadoes」の部分が竜巻の発生頻度で、左側がエルニーニョ、右側がラニーニャ発生中となり、青系の色が濃いほど発生頻度が高いことを示す。

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画像は「Climeate.gov」より引用

 このように、エルニーニョ発生中は南東部で竜巻の発生頻度が低く、ラニーニャ発生中は逆に発生頻度が高くなっている。現在、昨年秋からラニーニャ現象が発生中だが、今回の竜巻被害はこの傾向通りに東部の内陸部に集中していた。

 さらに上記を裏付けるため、筆者は米国における過去の竜巻データを調査した。1871~2021年にかけて発生した竜巻の発生日時(全463件)に、それぞれエルニーニョ・ラニーニャ現象が起きていたか照会したところ、以下のような結果となった。

エルニーニョ発生中:124件(27%)
ラニーニャ発生中 :50件(11%)
どちらでもない時期:289件(62%)

 結果を補足すると、まずエルニーニョ現象は全期間中の約35%の期間で起きていたが、竜巻発生の件数は27%と期待値よりも少ない。また、ラニーニャ現象は全期間中の約20%で発生しているが、竜巻の発生件数は11%と、これも少ない。つまり、いずれも発生していない期間で竜巻が多く発生することになるのだが、もっともこれは地域を考慮していない全体的な傾向のため、前述のNOAAにある研究とは異なる結果となった。

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