【ガチ】Uber(ウーバー)の出現は300年前に予言されていた! 「18世紀の書物に…」有名教授が解説

画像は「Getty Images」より


 2002年にノーベル経済学賞を受賞した米チャップマン大学の実験経済学者バーノン・スミス教授によると、18世紀イギリスの哲学者アダム・スミスの著書に配車アプリ「Uber」や「Lyft」の出現を予想する記述があるという。

 著書『道徳感情論』においてアダム・スミスはこんな疑問を提起する。

「なぜ隣人や近所の人たちの間にはこんなにも秩序があるのだろうか?」。我々の行動の背後には明文化されていないルールがあるとスミスは指摘した。そして『国富論』において、そのルールが富を生み出すと看破した。このルールは「見えざる手」とも表現されるが、具体的には市場において各人が自己利益を追求することで、どういうわけだが市場に均衡が生まれ、社会全体にとって適切な資源配分が達成されるというものだ。

アダム・スミス。画像は「Getty Images」より

 こうした意図せず生じる自然発生的な秩序はUberやLyftの登場とも無関係ではないというのがバーノン・スミス教授の主張だ。今も昔もタクシービジネスは、ドライバーと顧客のマッチングで成り立っている。以前はそのためにタクシー会社は配車係を置く必要があった。配車係はタクシーがどこにいるのか、どこで乗客を降ろしているのか把握し、乗車希望の顧客とのマッチングを行う。だが、今やUberなどの出現により、アルゴリズムによって買い手と売り手を直接マッチングさせることができるようになったため、配車係は不要になった。スミス教授は、このことを「情報取引のコストを大幅に下げたイノベーションの美しい例」だとしている。UberやLyftは各社の自己利益に基づいた自然発生的な秩序の一部であるが、同時に社会全体に利便にも適っている。

「アダム・スミスが言うように、『人は皆、利己的であるが、隣人の顔を見て、自分の決定がすべて利己的なものに基づいていると宣言することはできない』のです。つまり、自己利益を否定することではなく、他の価値を達成するために自己利益を上書きすることを学ぶことなの」(バーノン・スミス教授)

 今後も社会を便利にする“利己的な”サービスが次々と登場することは間違いないが、その度にアダム・スミスのアイデアが肯定されることになるだろう。

参考:「Big Think」、ほか

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