コロナ収束後、タクシー会社は次々と「倒産」する…栗田シメイが激変するタクシー業界を予測!

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タクシー業界サバイバル(扶桑社新書)

コロナ禍を生き抜く タクシー業界サバイバル』を上梓された栗田シメイさん。中編では、タクシー業界の古い体質や、台頭する女性運転手について伺った。今回は、外国人運転手事情や、コロナ収束後のタクシー業界について語ってもらった。


■英雄だった父の背中を追って、元ボクサーのケニア人運転手

――栗田さん出会った運転手の中でもっとも印象的だったのは?

栗田 日の丸交通の運転手、トム・ワルインゲさんです。元々はボクサーを志してケニアから来日しフライ級チャンピオンを目指していました。ボクサーの道を諦めてから、ALTの講師などを経てタクシー運転手をされています。

 実は彼のお父さんのフィリップ・ワルインゲさんは、ケニアの英雄的なボクサーで3回五輪出場を果たし、2個のメダルを獲得しています。1970年代には「ワルインゲ中山」というリングネームで日本で活躍されていました。しかし引退された後、東京の池袋で路上生活をされていた時期がありました。その様子を2007年に日本テレビのドキュメンタリー番組が追っていて、僕はその映像を見たことがあったんです。でも取材を始めた頃は彼がフィリップさんの息子さんだとは気がつきませんでした。そういった悲壮な背景を感じさせないくらい、すごい人格者だったからです。

 ボクシングに打ち込んできた人がタクシー業界に入り、苦しみながらも立派に働いている。そういったことも含めて印象的な運転手さんでした。

 

――栗田さんの文章からワルインゲさんの誠実な人柄が伝わってきました。

栗田 しかし彼ほど日本語の能力が高くても、外国人だからということで嫌な顔をされることは多いそうです。「黒人かよ!」と言う人もいるみたいです。

 でも僕はこれからの日本では外国人の運転手をもっと増やしていくべき、それ以外には人材確保の面でタクシー業界の将来はないと思っているんです。

 

■日本語検定、地理試験、外国人運転手の高いハードル

――日本では外国人の運転手をあまり見かけませんが、外国人がタクシー運転手になるハードルは高いのでしょうか?

栗田 非常に難しいです。2種免許だけでなく、ビザの面でいえばN1(エヌワン)という日本語能力試験の最上位相当の日本語力が求められます。これは日本人でも難しいレベルです。また、大卒に相当する学歴が必要です。

 さらに「法令・安全及接遇および地理試験」を受けなければなりません。以前、試験問題を見せてもらったことあるのですが、日本人でもかなり勉強しなければ突破できないと思いました。試験問題は全て日本語表記なので、言語の異なる外国人が合格するのは並大抵のことではないでしょう。しかし、僕はこれから外国人運転手をもっと増やしていくべきだと思っています。

――なぜでしょうか?

栗田 日本では少ないですが、先進国ではタクシー運転手は基本的に移民の仕事です。ドイツやフランスではタクシー運転手のほとんどが移民で、出身を聞いてみるとアフリカ系、旧ユーゴスラビア、ルーマニアなどから移り住んできた人々でした。

 でも乗ってみるとなんの支障もありません。今はナビがあるので地理に詳しくなくてもあまり問題ないんです。

 日本でも今はコンビニや飲食店で働く外国人が増えて、技能実習生制度で介護福祉士や看護師の外国人を増やそうとする動きがあります。

 そういった流れの中で、外国人のタクシー運転手が増えてもいいんじゃないかなと僕は思います。逆に言えば、そこから人材を得るしか道は残っていないと思います。

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