村人全員が臓器を売ってしまった「隻腎村」の実態とは!? タリバン支配下のアフガニスタンの現実
アフガニスタンのシェンシャイババザール村だけでなく、同じように住民の多くが腎臓を売っている「隻腎村」が世界各地に存在する。その一つがネパールのホクシ村である。ホクシ村には定期的に臓器ブローカーが訪れ、「生きていくのに必要な腎臓が1つだけである」「腎臓を摘出しても再び元に戻る」などとでたらめを言いながら、現金を必要とする村人に腎臓の1つを提供するよう説得する。同意した村人は南インドに連れて行かれて腎臓摘出手術を受けるという。
実際に2,000ドル(約24万円)で腎臓を売った4児の母親、ギーサさんは「ブローカーは10年間、腎臓を売るよう私たちを説得するため村にやって来ましたが、私はいつも『ノー』と言いました」と語る。しかし、子供が増えて新しい家が欲しくなり、義理の姉とともにブローカーに連れられてインドで手術を受けた。手術は30分で終わったが、ギーサさんは3週間入院した。「手術後に目が覚めたとき、何も起こらなかったように感じ、すでに(手術が)終わったことに驚きました」と当時を振り返る。腎臓の代金で購入した家は後に大地震で倒壊したというから悲劇である。
すべての腎臓売買が村人の同意にもとづいているとも限らない。誘拐されて手術を受けることを余儀なくされたり、他の手術が必要であると騙されていつの間にか腎臓を摘出される事例も頻発している。中には、両方の腎臓を摘出されて死亡した村人もいる。
ネパール政府は2007年に腎臓売買を禁止する法律を可決した。しかし、ホクシ村の住人は生活のために現金を求めており、臓器ブローカーは彼らの窮状につけ込むのである。
「隻腎村」は富の偏在の象徴である。生活費すらままならないほどに追いつめられた貧困層と、どのような手段を使っても生き長らえたいと願う富裕層が存在し、臓器ブローカーが両者の間を行き来して荒稼ぎする。たとえ腎臓売買が法的に禁止されても、極端な経済格差が解消されない限り、今後も世界各地に「隻腎村」が誕生していくのだろう。
参考:「Oddity Central(2022年3月15日付)」、「Oddity Central(2015年7月22日付)」、「National Post」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊村人全員が臓器を売ってしまった「隻腎村」の実態とは!? タリバン支配下のアフガニスタンの現実のページです。アフガニスタン、臓器売買、腎臓、タリバンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで