悪夢はパーキンソン病の兆候だった! 5年以内に発症か、脳で“何か”が変化している
高齢になるほどリスクが高まるといわれているパーキンソン病だが、早期治療のためにはその兆候をいち早く察しなければならない。最新の研究では、その兆しは頻繁な悪夢にあることが報告されている。
■頻繁な悪夢で5年以内のパーキンソン病リスク
一説では60歳以上の100人に1人が患っているといわれるパーキンソン病は、有名人の罹患も少なくないこともあり、何かと話題になる疾患だ。
できる限り早期の治療が効果的であるとされているパーキンソン病だけに、その兆候にいち早く気づくことが重要である。そこで英バーミンガム大学の神経内科医であるアビデミ・オタイク氏が2022年6月に「eClinicalMedicine」で発表した研究では、頻繁な悪夢はパーキンソン病の初期の兆候である可能性があることが報告されている。
これまでの研究では悲惨な悪夢は、特に男性の神経疾患とも関連が示唆されてきていたのだが、今回ではこうした悪夢がパーキンソン病の兆候であるのか、それとも神経疾患の副産物であるかを調査した最初の研究となる。
調査では、直近12年間で脳機能に異常がない3818人の高齢男性の健康状態を追跡し、頻繁に悪夢を見る人々はその後にパーキンソン病を発症する可能性が2倍高いことが算出された。そのほとんどは悪夢を見はじめるようになって5年以内に発症しているということだ。
この調査結果は、問診において夢の内容を尋ねることがパーキンソン病の早期治療に繋がる可能性があることを示唆している。パーキンソン病の最大の課題の1つは診断が遅れることで、ほとんどの人が病気にかかっていると理解するまでに、脳幹の一部にあるドーパミン放出ニューロンの60~80パーセントをすでに失っているのだ。
いち早く兆候に気づいて早期治療をはじめることができれば、身体の震えやこわばり、動作の鈍化などの身体的症状の発症を抑えることができるのだ。
■前頭皮質で何かが変化している可能性
睡眠とパーキンソン病の関係についてオタイク氏は数年前から調査しており、パーキンソン病患者の約4分の1は、診断時から頻繁に悲惨な悪夢を報告し、診断される10年も前から悪夢を経験したと報告する人もいるということだ。
また、過去の研究によるとすでにパーキンソン病の者は、一般の人よりも最大で4倍も悪夢を見ているという。パーキンソン病の患者はまた、急速な眼球運動睡眠障害を発症する可能性が高く、これにより就寝時に夢を多く見るのだ。
パーキンソン病だけでなく、頻繁な悪夢はその後の4年間で神経疾患を発症するリスクを6倍高めていることも浮き彫りになっている。
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2024.10.02 20:00心霊悪夢はパーキンソン病の兆候だった! 5年以内に発症か、脳で“何か”が変化しているのページです。悪夢、加齢、脳、ドーパミン、高齢者、パーキンソン病、神経疾患などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで