「ウクライナ戦争は米中間選挙後にロシアが勝つ」元自衛隊幹部が断言！ タブーなし本音の戦況分析（インタビュー）

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　長引くウクライナ戦争により混沌とする世界情勢。核兵器を使用する可能性もちらつかせるロシアだが、今後の世界はどこに向かうのか？ 筆者は元海上自衛隊幹部のパイロットにして軍事の裏情報や防衛秘密を取り扱う立場にもあった神山清明氏に話を聞いた。

――ずばり、ウクライナ戦争は今後どうなるのでしょうか？

神山清明氏（以下、神山）　　様々な見解がありますが、私は今のメディアの「ウクライナが優勢でロシア軍は物資が枯渇している」という報道に疑問を持っております。西側のニュースは、太平洋戦争時の「日本が勝っている」という報道と良く似ていて、西側に有利な情報しか伝えていない印象です。実際、地政学的に見たらウクライナの領土はロシア軍に少しずつ占領されて狭くなっているんですよ。私はロシアが勝つと思います。

　なぜなら、ロシアには天然ガスや石油資源があります。そして、ロシア以外の石油供給ルートとなるOPEC（石油輸出国機構）加盟国は中東諸国が多く、アメリカを嫌っています。ですからルーブルは西側の経済制裁を受けていったん下落しましたが、すぐに戻しましたね。

　ウクライナにあるのは概して穀物くらいで、その穀物も今年は収穫できても戦時中には次の年の種蒔きができず、来年、再来年……と、次はいつ収穫できるかわかりません。アメリカは軍を出さず、武器を供給するだけ。バイデン大統領はウクライナが敗戦したら支持率が下がるので、おそらく中間選挙（今年11月8日）までは、どんどん武器の供給を続けるでしょう。

　しかし、おそらくいくつかの国が自国の国益を優先してロシアに対する経済制裁を止めると、ウクライナは不利になります。結局、ウクライナが犠牲になり米国の軍産複合体だけが儲かっているんですね。

――なるほど、武器だけ供給するアメリカのやり方だと戦争が長引くだけで止められませんもんね。

神山　　そもそも、西側のほとんどの報道では「ロシアが100％悪い」とされていまして、もちろん侵攻した側が悪いのですが、ゼレンスキー政権が「NATOに入りたい」と言い出さなければ、今回の戦争は起きなかったのです。

　ウクライナがNATOに入るのを許容しようとしたバイデン大統領の方針にも問題があります。トランプ元大統領なら、ウクライナはNATOに入ることを許さなかったでしょう。ウクライナは西側との緩衝地帯だったのですから。

　クリミアではアゾフ大隊（ウクライナの極右勢力）が親露派を殺害しています。ゼレンスキーは大統領就任直後にアゾフ大隊を止めようとしたものの、彼らはゼレンスキーの言うことを聞きませんでした。しかし、それでもなんとか止めるべきでした。ここでウクライナがNATOに入ってしまったら、地政学的にはロシアからしたらウクライナが脅威になるのです。そしてもう1つ、ウクライナがブダペスト覚書で核兵器を放棄したことも、侵攻されてしまった一因でしょう。

――しかし、結果的に西側とロシア側のまさに緩衝地帯として犠牲になっているウクライナですが、今後どうすればよいのでしょうか？

神山　　ウクライナは早く停戦に合意した方が有利な条件で停戦でき、ウクライナ国民もこれ以上死者が出ずに済みます。ゼレンスキーは、自分が殺されることを恐れて保身のために戦争を長引かせるほど不利になります。

――ウクライナ戦争が核戦争に発展する可能性はありますか？

神山　　あるでしょう。ロシアにとって戦況が不利と判断すれば、プーチンは核の使用を厭わないはずです。

――ロシアが勝ったら、中国も台湾に侵攻する可能性はありますか？

 
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