「年間20万人が農薬中毒で自殺」英高級誌が発表! 人命より利益優先の“鬼畜ファイブ”の陰謀とは?

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画像は「getty images」より

※ こちらの記事は2020年2月25日の記事を再掲しています。

 世界中でバッタが大量発生し、大量の殺虫剤が散布されている中、英紙「The Guardian」(2月20日付)が、殺虫剤により毎年20万人以上が自殺しているという驚きのニュースを報じている。

 バイエル(2018年にモンサントを買収)、BASF、シンジェンタ、FMC、コルテバの5社(ビッグ5)は世界的な農薬会社として知られているが、こうした企業が販売している農薬には、「非常に有害な殺虫剤(highly hazardous pesticides, HHPs)」も含まれているそうだ。HHPsの多くは経済的に貧しい国々での購入比率が高く、インドでは全体の売上の6割がHHPsである一方、イギリスでは10%程度。世界的なHHPsの売上比率が27%であるのに対し、低・中所得の国々では45%に上り、最も多かったのは南アフリカの65%だった。

 ビッグ5の農薬による収益は2018年の1年間で50億ドル(約5500億円)に上るというから開いた口が塞がらない。これでは、先進国の巨大企業が知識や金銭的余裕のない貧困国に有害製品を売りつけていると非難されても仕方ないだろう。

 非政府組織「The Unearthed」や「Public Eye」の調査によると、ビッグ5の製品の4分の1に、発がん性物質など人体に害のある殺虫剤が使用されており、その結果として毎年20万人が、HHPs由来の健康被害で自殺しているという恐ろしいデータもある。

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 こうした状況に皆が沈黙しているわけではない。たとえば、国連特別報告者のバスクット・ツンカク氏は、「この時代においてHHPsから莫大な利益を企業があげていることは不適切です。こうした製品の継続的使用は、持続可能ではありませんし、世界中で大勢の人権を侵害しています」と農薬会社を非難している。

 だが、一方で農薬会社はこうしたリスク評価を真っ向から否定しており、自社製品の安全性を訴えることに必死だ。非営利組織「Pesticide Action Network(PAN)」が、米環境保護庁、WHO国際がん研究機関のデータを基にリスト化した330の有害物質の中には、バイエルが製造・販売している除草剤ランドアップに含まれる化学物質グリホサートも含まれているが、バイエルのスポークスマンはグリホサートの安全性を示す別研究を示し、WHO国際がん研究機関の結論を受け入れていない。

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 またBASFのスポークスマンは、同社の製品の安全性は確立されており、「ラベルの指示通りに適切に使用すれば危険はない」としているが、ツンカク氏によると「低・中所得の国々では、殺虫剤の適切な使用を妨げる組織的な問題がある」という。こうした状況を知りながら、「非常に有害な殺虫剤」を販売し続ける殺虫剤会社は、利益を優先し、人権を無視していると非難されても仕方ないだろう。

 それに、各社製品の安全性もとても確立されているとは言えない。たとえば、バイエル(モンサント)は「ラウンドアップ」に含まれているグリホサートの発がん性を争点とする数々の裁判で負け続けており、今も何千件もの訴訟を抱えている。

 だが、こうした状況でもバイエルは淡々とラウンドアップを世界中に売り続けている。それはなぜだろうか?

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