「天国に行けるように」家族を皆殺し、平然と新たな人生を送って18年…! 敬虔な男が凶悪殺人鬼に変貌した理由=米
1990年の裁判で被告側弁護士は、リストが第二次世界大戦と韓国での兵役からPTSDを患ったと主張した。心理学者も、中高年が陥る鬱病や不安障害である「中年の危機(ミッドライフクライシス)」と診断したが、これらの弁護や診断は認められず、最終的に陪審員はリストに殺人罪で有罪判決を下し、裁判所は終身刑を言い渡した。
リストは有罪判決を受けた後でも、自らの犯罪の責任を取ることを拒否した。陪審員に向かって、「1971年に起こった悲劇について本当に申し訳なく思っています。当時の精神状態のせいで、自分でも何が起こったのかを説明できないのです。このことによって影響を受けたすべての人に、許し、理解、祈りを求めます」と述べた。
リストは、事件当時は経済的に困窮しており、数年前に5万ドル(約670万円)で購入した広大な邸宅の維持費を支払う余裕がなく、「確かに私たちは破産し、生活保護を受けることもできたかもしれません」と述べている。また、妻が教会に通うのを拒否したことと、娘が女優になりたいと願っていたことを心配していたという。
ちなみに、娘パトリシアは事件の前年、魔術に夢中になって「魔女」を自称していた。彼女のドラムコーチは事件の数カ月前、「父親から遺言書を作るためとして火葬を希望するかどうか聴かれた」とパトリシアが言っていたことを明かしている。さらにパトリシアの友人によると、事件直前に彼女は「何か悪いことが起こりそうな予感がする」と話していたという。
リストの自白のメモからは、自身の犯行を経済的困窮と家族に対する信頼の喪失のせいにしていることを読み取れる。
「私たちは乗り越えられたのかもしれませんが、これはやりすぎでした。少なくとも、今は全員が天国に行ったと確信しています」(リスト)
2008年3月21日、リストはニュージャージー州の病院で死亡した。死因は肺炎で、82歳だった。邪悪なシリアルキラーは天国へ行けず、地獄へ落ちたに違いない。
参考:「The Sun」、「All That’s Interesting」、ほか
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