密輸麻薬を大量摂取したクマが狂暴化! 「コカイン・ベア」の実話が映画化される

画像は「Getty Images」より

 麻薬の密輸にまつわるさまざまな仰天エピソードがあるが、アメリカではかつて「密輸された大量の麻薬を巨大な熊が食べてしまう」という事件が起こっていた。

 1985年、アメリカのジョージア州上空を1機のセスナが飛行していた。その飛行機には麻薬密輸業者のアンドリュー・ソーントンが乗っており、コロンビアから実に数百万ドル相当のコカインを詰めた5つのダッフルバッグをジョージア州北部に投下しようとしていた。ソーントンもバッグと共に降下する予定だったのだが、飛行機の尾翼に頭をぶつけてしまい、そのまま墜落死してしまったのだ。

 山の中に落ちた大量のコカインを詰めたバッグは、密輸業者どころかとんでもない生き物に見つけられることとなった。バッグを見つけたのは大型のツキノワグマ。クマは現場に落ちていたバッグを引き裂くと、中のコカインを全て食べてしまったのである。勿論、大量のコカインを接種して無事でいられるわけもなく、最終的にこのクマはほぼ即死したと考えられている。

 ジョージア州捜査局によれば、ソーントンの遺体はテネシー州ノックスビルで暗視ゴーグル、防弾チョッキ、グッチのローファーを身に着けた状態で発見された。他には現金4,500ドル(約60万円)に加え銃2丁とナイフ数本で武装しており、飛行機の鍵も所持していたという。また、無人になった飛行機は数時間後にノースカロライナ州の山中で残骸の中から発見されたそうだ。

 英紙「The Independent」の当時の報道によると、捜査官はこの飛行機の飛行経路をたどってコカインの詰まったダッフルバッグ9個を発見。そしてテネシー州とジョージア州を結ぶ州境のすぐ南、チャタフーチー国有林で、引き裂かれた10個目のダッフルバッグやコカインを包んでいた紙の側でツキノワグマの死体も発見された。

 麻薬密輸によって野生のクマが死亡したというニュースが報じられると、このクマは「コカイン・ベア」 または 「パブロ・エスコベア」と呼ばれるようになって一気に注目を集めた。不幸なクマは剥製師によって剥製にされ、レキシントンにある商業施設 「Kentucky For Kentucky」で今も見ることができる。

 そしてつい先日、このクマをモデルにした映画『コカイン・ベア』の予告編が公開された。監督はエリザベス・バンクス、ジャンルはスリラーになるそう。気になる人はぜひトレーラーを確認してみてほしい。

参考:「Daily Star」ほか

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文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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