CIAが開発したやばい武器TOP6! 猫・カラスのスパイ、LSDや新興宗教を兵器化…

 先日TOCANAでは、CIA文書の機密解除によって、米ソ冷戦時代、”平和の象徴”であるハトが偵察兵として養成されていたことが明らかになったというエピソードを取り上げた。最終的にこの計画は局内での賛同が得られず、1978年に終了したとされているが、プログラムに関する文書がすべて公開されているわけではないので、その後どのような経緯を辿ったのかは謎のままだという。

 この”スパイ鳩”に代表されるように冷戦時代、CIAではカラスを使って、特定の位置に盗聴装置を落とす試みや港湾施設に侵入するために訓練されたイルカ、15億円以上の大金を費やして盗聴器を埋め込まれた猫など、動物を利用した数々のスパイ道具が開発されていた。さらには、自称超能力者のサイエントロジー信者を集めて、サイキックパワーでロシアの機密を暴くというオカルトな計画も。本稿では、2019年10月の記事から、実際に考案されたあまり役に立ちそうにない奇妙なプロジェクトを6つ紹介する。

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※ こちらの記事は2019年10月4日の記事を再掲しています。

 最近、CIAはソ連との冷戦時代(1945年~1991年)に開発した、実に奇妙なスパイ武器に関する文書を機密解除し、公開した。いったいどんな“秘密兵器”があったのか。

1.スパイハト

 CIAは、冷戦時代にミッション「タカナ(Tacana)」を実施していた。

 それはハトをスパイとして使用し、ソ連の秘密基地を密かに撮影するというものであった。鳥類であるハトが選ばれた理由は彼らが持つ桁外れな帰巣本能のためで、鳩の身体には高価な小型カメラが取り付けられていたという。

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画像は「Sott.net」より引用


2.カラス、そしてイルカ

 公開された文書によると、CIAにはカラスを使い、盗聴装置を窓枠に落とすという試みも行っていた。

 また、水中からの港湾施設への侵入ミッションのためには、イルカを訓練していた。そのイルカに、ソビエトの核潜水艦と放射性兵器の痕跡を検出するためのセンサーを搭載したり、フロリダ州キーウェストでは、敵に対する水中攻撃にイルカを使用しようとしていたことも判明している。

3.カストロ暗殺を狙った葉巻、潜水服、貝殻

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演説をするカストロ(1997年) 画像は「NBC News」より引用

 米国のスパイ機関は、冷戦中にキューバの最高指導者フィデル・カストロ国家評議会議長を暗殺するために、爆発する貝殻や毒葉巻を含む、奇妙で役立たずの筋書きを数多く考えていた。

 1960年にCIAは、カストロを毒葉巻で暗殺することを計画していた。葉巻には強力なボツリヌス毒素が仕込まれ、氏名不詳の人物によって配達されたが、カストロはそれを決して吸わなかったという。

 また「マズラ足」と呼ばれる慢性かつ進行性の局所感染症を引き起こす菌をカストロのダイビングスーツの内側に仕込み、呼吸装置部分にも結核菌を仕込むという試みがなされたことが2017年に公開された米国立公文書館(NARA)の資料に記載されている。

 そのダイビングスーツは、キューバとの人質交渉に関与していたアメリカ人弁護士のジェームズ・ドノヴァンによって、カストロに与えられるはずであったが、ドノヴァンはいざ決行の段になり怖気づき、そのスーツを渡さなかった。

 ほかにもカストロがダイビング愛好者であることから、彼の注意を引くためにエキゾチックな色で塗った「貝殻爆弾」を海底に仕掛けることも検討されたという。しかし、報告書によるとこのアイデアを実行するのは難しいとして破棄された。

 

4.盗聴器を仕掛けた猫

 1960年代、CIAは15億円以上を費やし、猫の耳に盗聴器を仕掛ける試みをした。計画はごく単純で、盗聴器を埋め込んだ猫をソビエト大使館の中に放って、ロシアの機密を盗聴することであった。

 しかし、その任務は早くも初日に失敗した。盗聴器を移植された猫は、とっととワシントンのソビエト大使館の外に逃げ出してしまったからだ。

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画像は「Wikipedia」より引用


5.サイエントロジー信者のサイキックパワー

 ソビエトがスパイ活動のためにESP(超能力)を研究していることを確信し、CIAもそれに対抗するため、1970年にサイエントロジー(米国の新興宗教)が率いる「スターゲート」プロジェクトを開始した。

 それは、サイキックパワーを持つと主張するサイエントロジー信者を集め、そのパワーによって、ロシアの機密を暴くというものであった。しかし言うまでもなく、このプロジェクトも実らなかった。


6.LSDを使ったマインドコントロール

 CIAの悪名高い「MKウルトラ」プロジェクトは、1950年代に秘密裏に開始された。これは潜在的なマインドコントロールと拷問のために、LSDやMDMAなどの薬物の効果を人体実験するものであった。人体実験されている人の多くは、自分が実験されていることを知らされていなかった。

 少なくとも1人の死──細菌学者、生物兵器科学者のフランク・ルドルフ・オルソン──が、この実験によるものと考えられている。「コントロール不可能な結果を生む」ということで、結局この実験は打ち切りとなった。

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MKウルトラの機密文書 画像は「Wikipedia」より引用

 さて冷戦時のCIAが行ったスパイ大作戦だが、効力があったものも、まったく「役立たず」で終わったものもあるようだ。「盗聴器搭載の猫」などは、ユーモアすら感じてしまうが、「病原菌を塗ったウェットスーツ」のようなアイディアは、現代ではより巧妙な方法で行われていることは間違いないだろう。

参考:「Sott.net」、「NBC News」、ほか

文=三橋ココ

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