“フン”を吐き出すグロすぎる姿! 謎に包まれた生き物ヒモムシとは?

 この世のものとは思えない生物の挙動――。尺取り虫のように手の平を這い上り、まるで投網のように白いネットを吐き出す気色悪い“エイリアン生物”が見る者の背筋を凍らせずにはいられない。

グロテスクな“エイリアン生物”か!?

 人類未踏の地は少なくなったとはいえ、この自然はまだまだ驚きと不思議に満ちている。最近話題になっているのは、この世のものとは思えないほど気味の悪い生物だ。

 動画でわかるように、恐れを知らないように見える人物が、ぬるぬるした気味の悪いワームを手の平に乗せている。うねるようなグロテスクな動きで手をよじ登る生物の姿は、普通であれば叫び声を上げてパニックに陥り振り払うに違いない。

 しかしさらに気味の悪い光景が広がることになる。まるでホラー映画のように、ワームは先端部の口からクモの巣のような、あるいは投網のような白いネットを勢いよく吐き出したのだ。

 戦慄を禁じ得ないこの動画は最近になって「Interesting Channel」によってツイッターで共有され、たちまち430万回以上の視聴回数を記録し、数え切れないほどの罪のない視聴者の背筋を凍らせた。

 この動画にコメントしたあるユーザーは「本当に“スタートレック”の何かのように見えます!」と書き込み、まるで“エイリアン生物”であるかのような驚きと恐怖を訴えている。

フンを吐き出すグロすぎる姿! 謎に包まれた生き物ヒモムシとは?の画像1
「LAD Bible」の記事より

生物学的理解が進んでいない謎の生物

 もちろん地球外生物であるはずはないこのワームの正体や如何に? 実はこれはヒモムシ(ネメルテア、Nemertea)という紐形動物門に属する生物である。この世界には1000種以上のヒモムシが存在している。

 吐き出したねばねばした白いウェブは「吻(ふん、proboscis)」と呼ばれ、軟体動物やカタツムリなどの獲物を口に引きずり込むために使用する。

 獲物をとらえるだけでなく、このビデオのように敵から逃れようというピンチの状況でも吻は吐き出される。

 2015年に「Mental Floss」のインタビューで、生物学者でヒモムシの専門家であるセバスチャン・クヴィスト氏は次のように述べている。

「(ビデオで)見られるのは、現在の状況から逃れようとできる限りのことをしていて、とても危機を感じているワームの姿です。その水力学的骨格(hydrostatic skeleton)は、海の水圧がなければバラバラになる可能性があることを意味します。ただしこの崩壊は死をもたらすようには見えません」(セバスチャン・クヴィスト氏)

フンを吐き出すグロすぎる姿! 謎に包まれた生き物ヒモムシとは?の画像2
「LAD Bible」の記事より

 水力学的骨格は単純な無脊椎動物の間で一般的なのだが、もし骨格を維持できなくなったとしても、驚いたことにそれが必ずしも死に直結するわけではないというのだ。

「再生できるかどうかは定かではありませんが、ワームがそのように壊れることは致命的ではないようです。これは非常に興味深いことです」(セバスチャン・クヴィスト氏)

 またこれらのヒモムシは化石の記録をほとんど残さないので、生物学的理解もなかなか進んでいないという。

「それは彼ら(ヒモムシ)が(種として)どのくらい新しいか、またはどれくらい古いかを立証しようとする上できわめて難題になります」(セバスチャン・クヴィスト氏)

 これらヒモムシは今もあまり解明が進んでいない謎の生物であるだけに、ひょっとすると本当に“エイリアン生物”なのかもしれない!?

参考:「LAD Bible」ほか

関連キーワード:, ,

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

仲田しんじの記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

“フン”を吐き出すグロすぎる姿! 謎に包まれた生き物ヒモムシとは?のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで