最強怪力虫「ササラダニ」とは? 体重の1000倍以上を挙上する脅威のパワー

 格闘技やウェイトリフティングには体重による階級が設定されているが、一方で相撲では小兵力士が活躍したり、カンフー映画では小柄なブルースリーが大男たちを痛快にバタバタとなぎ倒したりする。では地球上の生物で最もパワフルな種は何か? それはなんと自分の体重の1000倍以上の重量を持ち上げることができる“怪力ダニ”であった――。

体重の1000倍以上の重量を持ち上げる“怪力ダニ”

 逆立ち状態(支えがあってもよい)で腕立て伏せができるかどうかが、軍隊などで“使い物”になる体力の持ち主であるかどうかの簡単な判別法であるといわれている。つまり自分の体重分の重量を頭上に持ち上げられることだ。

 自重を頭上に持ち上げられればまずは大したものだといえるのだが、実のところそれはまったく自慢にはなりそうもない。地球上には自重の1000倍以上もの重量物を持ち上げることができる驚異的な生物が存在しているのだ。

 全長1ミリ前後で体重はわずか100マイクログラムほどのササラダニ(oribatid mites)は体重のなんと1180倍もの重量を持ち上げることができるのである。体重60キロの人間が70トン以上のバーベルを頭上に持ち上げていることに等しい。

最強怪力虫「ササラダニ」とは? 体重の1000倍以上を挙上する脅威のパワーの画像1
ササラダニ(oribatid mites) 画像は「Wikipedia」より

 ササラダニのこの驚異的なパワーの主な理由の1つは、そのハードな外骨格にある。外骨格がきわめて強固でしかも軽いため、より多くのエネルギーを筋力に費やすことができるのだ。

 大きな生き物はより大きな筋肉を持っているが、その力の多くは自分の体重を支えることに費やされる。対照的に小さな虫は自重が極端に軽いため、より多くの筋力をウェイトリフティングに注力することができるのだ。

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「Oddity Central」の記事より

生物界のPFPでぶっちりの1位

 ササラダニは林床の土壌に生息し、ミミズと同様に有機物質を分解する重要な役割を果たしている。また種子の散布、土壌構造の改善、昆虫病原体や人間や家畜に有害な寄生虫の減少にも貢献しているのだ。

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「Oddity Central」の記事より

 ダニという虫には総じてネガティブなイメージがあると思うが、このササラダニ類に限っては人に危害を与えることのないまったく善良なダニである。生態系の中で良質な土壌を形成する分解者としての役割を実直に果たしているのである。ササラダニはその驚異的なパワーもさることながら、自然界での“縁の下の力持ち”でもあるのだ。

 小さいながらも頼もしいササラダニは生物界のパウンド・フォー・パウンド(PFP)でぶっちりの1位といえる。タフで仕事のできるこの小さなヒーローにぜひともあやかりたいものだ。

参考:「Oddity Central」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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