米国の最凶「細菌・生物兵器研究所」が謎の緊急閉鎖! 原因不明で世界が震撼…“感染ダニ”流出の過去も!

 米メリーランド州フレデリックのフォート・デトリックは、米陸軍の生物兵器研究所として知られている。今年7月、米疾病管理予防センター(CDC)がフォート・デトリックの一角にある米陸軍感染症医学研究所(USAMRIID)に対し、研究を中止するよう命令を出した。この研究所ではエボラウイルスをはじめとする危険な病原菌や毒素の研究が行われていた。一体何があったのか? 8月5日付の米「The New York Times」などが報じている。

Deadly Germ Research Is Shut Down at Army Lab Over Safety Concerns Deadly Germ Research Is Shut Down at Army Lab Over Safety Concerns (The New York Times)

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画像は「The New York Times」より引用

■閉鎖された生物兵器研究所

 報道によれば、米陸軍感染症医学研究所の閉鎖のきっかけとなったのは、今年6月にCDCが行った検査だったという。バイオセーフティレベル(BSL)3と4の実験室が安全指針の基準を満たしていないとして、研究の中止命令が出され、閉鎖された。

 研究所のBSL3実験室では、マダニを介して広がる感染症の「野兎病」や「ペスト」が、BSL4では「エボラウイルス」といった感染力が高く、非常に危険な病原体が研究されていた。場所が場所だけに危険な病原体の漏洩が心配されるが、研究所閉鎖を受け、フォート・デトリックの広報担当者とCDCは「感染性の病原体や病気の原因となる物質は研究所外では見つかっていない」と発表しているものの、近隣住民には動揺が広がっている。

■閉鎖の理由は?

 CDCによると、研究中止命令の原因は「定められた手続きの不備」と「研究所職員への生物学的封じ込めのための定期的な更新トレーニングの欠如」だったという。しかし、その詳細については「国家安全保障上の理由」を盾に公開されていない。

 地元紙「Frederick News Post」(8月2日付)は、研究所の広報担当者の話として、実験室の排水浄化システムの不調が今回の事態の根本にあるとしている。2018年5月、研究所は大雨と洪水に見舞われ、古くなった浄化プラントの設備が故障してしまったといい、結果、浄化システムはCDCの求める安全基準を満たすことができなくなってしまったというのだ。研究所の再開には設備の新設が必要であるとのことで、その準備が進んでいるというが、再び研究が行えるようになるまでには数カ月の時間がかかるという。

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