人間は他の惑星でどれぐらい高く飛べる? 不用意なジャンプは命取り、宇宙空間に放出され帰還不能に
人類の悲願である宇宙進出は刻々と近づいているが、宇宙で暮らすにあたってひとまず何を心得ておけばよいのだろうか。その1つに挙げられるのが各惑星の重力である。太陽系の中では不用意にジャンプしてはならない場所もあるのだ。
太陽系の各所でジャンプしてみたら?
それぞれ重力が異なる太陽系内のさまざまな天体でジャンプしてみるとどのような違いがあるのか検証するのはなかなか興味深い。他の惑星や衛星では我々はどれくらいの高さでジャンプすることになるのだろうか。
適度な重力、すなわち1Gの地球では平均的な人間のジャンプ(垂直跳び)の高さは約45センチである。しかし地球の約300倍の質量を持つ木星に行けば当然ながら重力は強くなる。地球と同じように木星でジャンプしてみれば、その高さは地球に比べて大幅に低くなる。
一方で火星の衛星の1つであるフォボスはそのサイズと質量が小さいため、重力が非常に弱い。うっかり地球上と同じ感覚でジャンプをしてしまうと、宇宙空間に飛び出し戻ってこれなくなるのだ。
重力がさまざまな天体で我々のジャンプ力はどのように変化するのか。それは重力が我々の身体能力に与える影響を検証することである。主な太陽系の星々でジャンプをした場合の様子は以下の通りだ。
木星:17センチ
直径は地球の11倍、体積は1321倍にもなり、地球の約300倍の質量を持つ巨大な木星だが、水素やヘリウムなどでできている巨大ガス惑星であるため、地表の重力は地球の約2.5倍ほどにおさまっている。その大きさからすれば案外ジャンプできると感じるかもしれない。
海王星:39センチ
太陽系で一番外側を周る巨大氷惑星である海王星は太陽の光が地球の900分の1程度しか届かないため、表面温度はマイナス220度の極寒の世界が広がっている。屋外でジャンプしている余裕など皆無だろう。
天王星、土星、金星:39センチ
天王星は海王星よりも大きいが重量は軽く、土星は太陽系の中では木星に次いで2番目に大きいガス惑星で、地球のすぐ内側を回る金星は大きさも重さも地球とよく似ている。このいずれもが地球よりも若干強い地表の重力を持っている。
火星、水星:118センチ
人類が進出する最初の惑星と目されている火星と、太陽系惑星の中で大きさ質量ともに最小である水星の地表の重力はほぼ同じだ。地球上よりも2倍以上の高さを悠々とジャンプできる。
月:272センチ
地球の衛星である月には実際に人類が降り立っているが、地球上よりもかなり地表の重力は弱いため、普通に歩いても跳ね上がって三段跳びの選手のようになってしまう。
冥王星:711センチ
太陽系の中で準惑星に区分される冥王星は月よりも小さく重力もさらに弱く、表面重力は地球の6%ほどしかない。ちょっと飛び跳ねただけで思わぬ高さまで舞い上がってしまうだろう。
ケレス:1575センチ(15.75メートル)
火星と木星の間の小惑星帯にある準惑星・ケレス(セレス)は直径945kmほどの氷と岩石の塊である。その地表でジャンプすれば約16メートルも舞い上がり、ゆっくりと降りてきて“ふんわり”と着地することになり、なかなかのエンターテインメント体験が楽しめそうだ!?
ミランダ(天王星の衛星):5700センチ(57メートル)
天王星の第5衛星であるミランダの直径はわずか470kmであり、太陽系の衛星の中でも最小級のものの1つである。地表の重力もきわめて弱いため、ジャンプすれば20階建てビルほどの高さまで到達してしまう。
フォボス(火星の衛星):77300センチ(773メートル)
冒頭でも取り上げた火星の衛星・フォボスの地表でジャンプすればまるでロケットのように773メートルの高さまで打ち上げられてしまう。ここまできてしまうともはやフォボスの重力では落ちてくることはできず、宇宙空間を漂い続けることになってしまう。くれぐれもフォボスの地面でジャンプをしないよう心に銘記しておきたい。
参考:「UFO Sightings Hotspot」ほか
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2024.10.02 20:00心霊人間は他の惑星でどれぐらい高く飛べる? 不用意なジャンプは命取り、宇宙空間に放出され帰還不能にのページです。惑星、ジャンプ、太陽系、宇宙進出などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで