バミューダ島「双子シンクロ死事故」が怖すぎる! 場所、タクシー、運転手、乗客… 全てが一致!?

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画像は「Getty Images」より

“バミューダの双子”の悲劇の実話がネットで話題のようだ。1年の期間を隔てて同じ場所で同じタクシーにはねられて交通事故死した双子の少年たちの話なのだが、そんなことが本当に起こり得るのだろうか。

“バミューダの双子”の悲劇を検証する

“バミューダの双子”の悲劇の物語は、さまざまなSNSやブログで度々取り上げられてきた。この物語の元ネタは、1970年代後半にジョン・ミッシェルとロバート・J・M・リッカードによって出版された『Phenomena: A Book of Wonders』にあるといわれている。

 この記事は2011年に話題になった後、2015年に「リーダーズ・ダイジェスト」誌に再掲載されて再び注目を集めた。「確率とは何か?」と題されたこの記事は、「ロイヤル・ガゼット」紙の1975年7月21日号に「交通事故死の信じられないほどの偶然」という見出しで報じられた記事だ。

 1975年、アースキンという17歳の少年がモペッド(原付バイク)に乗っていたところ、タクシーにはねられ死亡した。衝撃的なのは、ちょうど1年前に同じことが双子の兄弟にも起きていたことだ。 二人は同じモペッドに跨り、同じ運転手が運転し同じ乗客が乗った同じタクシーにはねられて死亡したのである。この奇妙な話はネット上で広く共有されているが、本当に起こったことなのか疑う声もあるようだ。

 そこでホラー系メディアの「Bugged Space」の記事ではこの“バミューダの双子”の話を検証している。

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「Bugged Space」の記事より

 まずは事実を整理してみる。

●アースキン・エビンと彼の弟ネビルは、ほぼ正確に1年違いで発生した別々の交通事故に巻き込まれた。

●どちらの事故も同じタクシーで、同じ運転手が運転し、同じ乗客を乗せていた。

●被害者は両方とも事故当時17歳であった。

●事故が起きたとき、二人は同じ道路を走り同じモペッドに乗っていた。

●アースキンの事故は、1973年7月18日の夜、サンディーズのパックウッド・ホーム近くで発生した。

●ネビルの事故は、1974年7月30日にホッグ・ベイ・レベルとして知られるミドル・ロードの近くで発生した。

●両方の事件に関与したタクシーはウィリアード・マンダースという名前の男性が運転していた。

●父親のジョン・ヘンリー・エビンによると、事故時のタクシーの乗客は同一人物だったという。

 まず事件が起こった年は1974年&1975年ではなく、1973年&1974年であったことになる。そしてアースキンの事故のほうが先に起こり、その翌年にネビルが事故に遭っている。事故が起こったのは同じ通りではあったものの同じ交差点ではなかった。

 しかし彼らの父親が確認したように、タクシーに乗っていた乗客は確かに両方とも同じであった。

 そして2つの事故が発生した間隔が1年以上(1年と12日)あるということは彼らは実は双子ではなく、1歳違いの兄弟であったことになる。

 なぜ事件発生の年が1年遅れ、またなぜ彼らが双子と見なされ、そしてまったく同じ場所で亡くなっていたことにされたのだろうか。詳しいことはわからないが、そのほうが話としては“偶然の一致”の要素が増えてインパクトが増すことは確かだと思われる。

 事実を検証してみると“偶然の一致”の要素は薄まったことになるが、とはいっても単なる似たような事故とは片づけられない感もある。

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「Bugged Space」の記事より

人生には“あり得ない”ことが“起こり得る”

 国土も狭く人口も少ないバミューダ島の首都ハミルトンの面積は70ヘクタールと狭く、2010年の人口は2000人未満といわれている。36年前はさらに人口は少なかったはずである。

 タクシーの台数も運転手も最小限に抑えられ、日常的にタクシーを利用する乗客の数も限られてくるだろう。そして乗客のほとんどは常連客であると考えるほうがむしろ自然だ。

 また最初の事故でモペッドが壊れていなければ、弟(ネビル)が同じモペッドに乗り続けるだろう。

 したがって、二人の兄弟が同じ通りで同じタクシーにはねられる確率は、思っているほど小さくないかもしれない。悲劇的な事故であることに違いはないが、あり得るかもしれないレベルの偶然であったといえそうだ。

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1920年代のバミューダ島ハミルトン・ハーバー 画像は「Wikipedia」より

 アースキンとネビルは事故当時2人とも17歳で、同じ道路を同じモペッドに乗っていたところ、同じ運転手が運転し、同じ乗客を乗せた同じタクシーにはねられた。この二人の兄弟は双子ではなかったが1歳違いで不気味なほど似た運命をたどったことになり、この一連の出来事は人生の上で“あり得ない”ことが“起こり得る”ことを示すものでもある。

 歳の近い兄弟が驚くほど似た状況下で悲劇的に命を絶たれたという事実が変わることはない。良くできすぎた話はにわかには信じ難い印象を与えるが、こうして実際に起こったケースもあることを気に留めておいてもよいのだろう。

参考:「Bugged Space」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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