10カ月ずっと地上に降りずに飛び続ける鳥の謎! 食事も交尾も睡眠も空中で…驚きの生態とは

鳥類の一部は、地上に降りることなく長期間空を飛び続けることが知られている。ヨーロッパアマツバメ(Apus apus)もそんな鳥の一種で、空中で食事をし、交尾し、眠ることができ、信じがたいことに、1年のうち最大10カ月以上も飛行し続けることが可能なのだという。
ヨーロッパアマツバメは夏は北ヨーロッパ、冬は南アフリカで過ごす渡り鳥である。体長16センチほどの茶色い鳥で、ヨーロッパでは家の軒下に巣を作る馴染み深い生物の一種である。ツバメと名がつくものの、ヨーロッパアマツバメはアマツバメ目アマツバメ科、日本のツバメはスズメ目ツバメ科であり、分類上は大きく異なる種である。
この鳥は越冬地である中央アフリカの熱帯雨林ではねぐらを持たないといい、ほとんど着陸することなく、長期間飛行し続けて生活していることは以前より知られていた。しかし、どのくらいの時間、連続飛行が可能なのかは不明だった。そこで2016年、スウェーデン・ルンド大学の研究者らがヨーロッパアマツバメの背中に小さな記録装置をつけて追跡調査を行ったところ、最大で10カ月もの間、一度も着陸せずに空を飛び続けることがわかった。つまり、巣で子育てしている時期以外はずっと空を飛び続けているというのだ。

記録によると、一時的に枝に止まって休む個体もいたというが、ほとんどの個体は非繁殖期間中に一度も着地しなかったという。10カ月間のうち、実に99%の期間、ヨーロッパアマツバメは空を飛び続けていたのだ。
データによると、この鳥は朝夕、上昇気流に乗って上空に向かい、そこからゆっくりと滑空しながら降下する。短時間の睡眠や餌となる虫の捕獲も飛行中に行なっているようだ。ずっと飛び続けることはエネルギーのロスが大きいようにも思われるが、流線型の体、細長い翼、短くて軽い足も全て飛行に最適化されており、上空から滑空することでエネルギーの無駄を減らしている。
また、飛行し続けることで、外敵に襲われたり寄生虫などに感染したりといった命に関わるリスクが低くなるため、ヨーロッパアマツバメの寿命は20年にもなるという。データからは、この小さな鳥が生涯で実に3万キロもの距離を飛行することが示唆された。
その一生のほとんどを空で過ごすヨーロッパアマツバメ。生物の生存戦略には驚かされるばかりだ。
参考:「Oddity Central」、「YouTube」、ほか
※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。
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2024.10.02 20:00心霊10カ月ずっと地上に降りずに飛び続ける鳥の謎! 食事も交尾も睡眠も空中で…驚きの生態とはのページです。交尾、ヨーロッパアマツバメ、生存戦略などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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