巨大ガエル「コーネリア」の伝説!“ウィスキー”と“ベイクドビーンズ”が大好きだったカエルは実在したのか
カナダのフレデリクトン地域博物館には、地元の伝説として、巨大なカエルの剥製が展示されている。その大きさは、なんとブルドッグほどもあるという。しかし、そのあまりにも現実離れした伝説には、疑いの目が向けられているのも事実だ。一体、真実はどうなのだろうか?
コーネリア誕生秘話:ウィスキーとベイクドビーンズで巨大化!?
カナダ、ニューブランズウィック州フレデリクトンにあるフレデリクトン地域博物館には、「コールマン・フロッグ」、別名コーネリア・ウェブスターと呼ばれる巨大なガエルの剥製が展示されている。
この伝説の巨大ガエルの物語は、1885年に遡る。
地元のフレッド・コールマンという男性が、キラーニー湖でコーネリアを捕獲したという。伝説によると、捕獲された当初は普通の大きさだったコーネリアだが、コールマンは8年もの間、コーンミール、ベイクドビーンズ、コガネムシ、ホエイ(乳清)、バターミルク、そしてウィスキー (!) を与え続けた。その結果、コーネリアはなんと体重19キログラム、ブルドッグ並みの大きさにまで成長したというのだ。
さらに驚くべきことに、コーネリアはコールマンに呼ばれたり、ディナーベルの音を聞くと、まるで忠犬のように彼の元へ駆け寄ってきたという。カヌーを牽引したり、猫と競争したりと、訪問客を楽しませる芸達者な一面も持ち合わせていたそうだ。
しかし、そんなコーネリアも、最後は「ダイナマイト事故」という謎の事故により、その生涯を終えることになる。コールマンは彼女の遺体を剥製師に送り、その後、彼が経営するバーカー・ハウス・ホテルのロビーに何年も展示した。宿泊客の中には、コーネリアの剥製を灰皿代わりに使っていた人もいたという。
現在、フレデリクトン地方博物館に展示されているコーネリアの剥製は、本物のカエルとは似ても似つかない姿をしている。ヨーク・サンバリー歴史協会の2009年のブログ記事によると、「このカエルの剥製は『修復』され、現在の不自然な緑色に塗られた」とのことだ。
巨大ガエルは本当に実在したのか?
常識的に考えれば、コーネリアの伝説には、疑わしい点がいくつもある。そもそも、カエルがウィスキーやベイクドビーンズを食べて、本来の40倍以上の大きさに成長することなどあり得るのだろうか?
モントリオールにあるマギル大学のレッドパス博物館館長であり、脊椎動物の専門家であるデイビッド・グリーン氏は、「そんなのナンセンスですよ」と一笑する。グリーン氏によると、ウィスキーはカエルにとってむしろ毒であり、そもそもカエルは人間のように口から水を飲むのではなく、腹や腿の周りの皮膚から水分を吸収する生き物なのだそうだ。
では、博物館にある剥製は、本物のカエルではないとしたら、一体何なのだろうか? 懐疑的な見方をする人々の中には、コールマンが咳止め薬の宣伝に使われていた展示品を買っただけではないか」と推測する人もいる。実際、この「カエル」の皮膚の下には「布の跡」があり、「黄ばんだキャンバス地」が亀裂から見えていると指摘する声もある。
さらに、カエルの足はワックスでできているように見えることも、この剥製が偽物である可能性を示唆している。
コールマン・フロッグは本当に偽物なのか? ヨーク・サンバリー歴史協会は、「何とも言えない」と、やや楽観的な見解を示している。
しかし、本物であろうとなかろうと、コールマン・フロッグの伝説は、地元の人々に愛され続けている。歴史協会によると、「多くの人がこの奇跡をひと目見ようと集まり、その多くが、伝説を信じて疑わないまま帰って行く」という。
巨大ガエル、コーネリアは、本当に実在したのだろうか? その謎は深まるばかりである。
参考:IFLScience
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2024.10.02 20:00心霊巨大ガエル「コーネリア」の伝説!“ウィスキー”と“ベイクドビーンズ”が大好きだったカエルは実在したのかのページです。カナダ、カエル、伝説などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで