地球外生命体は惑星を必要としない?“宇宙空間を漂う生命体”の可能性

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 地球外生命体の探索といえば、地球のように生命を育む条件が揃った惑星に焦点を当てるのが一般的だった。しかし、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校などの研究チームが学術誌「アストロバイオロジー」に発表した最新の研究では、従来の常識を覆す驚くべき可能性が示唆されている。

 なんと、地球外生命体は惑星を必要とせずに、宇宙空間を漂いながら生存しているかもしれないというのだ。

生命の条件に惑星は必須ではない?

 地球は、重力、厚い大気、炭素や酸素といった豊富な化学元素、そして太陽からのエネルギー供給など、生命を維持するための理想的な条件を備えている。そのため、これまで地球外生命体の探索は、地球に似た環境を持つ惑星に焦点を当てられてきた。

 しかし、今回の研究者たちは、生命は全く異なる環境、つまり宇宙空間を自由に漂いながら存在する可能性もあると主張している。

 突飛な考えのように思えるかもしれないが、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士たちは、地球からの資源供給を受けているとはいえ宇宙空間で生存している。

 より単純な生命体であれば、自力で宇宙空間で生き延びることができるかもしれない。実際、微生物であるクマムシは、真空の宇宙空間でも生存できることが確認されている。

宇宙空間で生命体が生き延びるための条件

 宇宙空間を漂う生命体のコミュニティは、独自の課題を克服する必要がある。

 まず、宇宙空間の真空状態に対抗して内部の圧力を維持する方法が必要となる。地球上の多くの生物は、すでに保護膜や殻を形成することで、この課題を解決している。

 次に、液体の水を維持することも不可欠である。地球の大気は、自然に断熱材の役割を果たしているが、宇宙空間では大気のない状態で温室効果を生み出す必要がある。

 地球上には、内部の温度を調節することで、この効果を模倣できる生物も存在する。

 さらに、宇宙コロニー、重力によって惑星が通常保持している軽元素の損失に対処する必要がある。炭素や酸素などの必須元素を蓄え、資源を節約するための閉鎖ループ型リサイクルシステムに頼ることになるだろう。

 また、可能な限り多くの光を得るために、恒星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内に位置する必要がある。

未来の宇宙探査:バイオコロニーの可能性

 このような宇宙バイオコロニーは、最大で100メートルの規模に達し、薄くて透明な殻で覆われる可能性がある。この殻は、内部の水と温度を安定させ、必要な圧力を維持し、温室効果を促進することで、生命を維持する役割を果たす。

 このような生命体が実際に存在するかどうかは、もちろんまだわかっていない。しかし、この研究は、宇宙探査の未来に新たな可能性を示唆するものである。

 将来の宇宙ステーションやコロニーは、地球の資源に頼る金属製の居住空間ではなく、バイオエンジニアリングによって作られた材料を用いて、生物のように自己維持可能な生態系を構築することができるかもしれない。

 宇宙における生命の存在条件は、私たちが考えているよりも多様なのだろうか。

参考:AnomalienCom

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