撃墜された中国の気球は“スパイ技術の塊”だった?米企業製の技術も搭載

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Chase Doak投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

 2023年2月、アメリカ・サウスカロライナ州沖で撃墜された中国の気球に、スパイ活動に使用される可能性のある技術が搭載されていたことが判明した。専門家の分析によると、この気球にはアメリカ企業5社の技術が含まれており、通信モジュールや高度なセンサーなどが装備されていたという。

撃墜された中国気球の正体

 この巨大な気球は2023年2月4日、F-22戦闘機によって撃墜され、世界中の注目を集めた。中国政府は当初、「気象観測用の気球 が強風に流され、誤って米国上空を飛行した」と説明していた。しかし、調査の結果、この気球には科学観測用とは思えない精密な監視機器が搭載されていたことが明らかになった。

 米誌「ニューズウィーク」の報道によると、この気球に搭載されていた技術は、アメリカ企業5社から調達されたもので、衛星通信モジュール、各種センサー、その他の高度な機器が含まれていたという。

中国のスパイ技術と米国の技術流出

 この気球が持つ技術の一部は2022年に中国科学院(CAS)の研究者が取得した特許に基づいていることも判明した。この特許には、短波通信モジュール「Iridium 9602」が含まれており、これは米国バージニア州の通信企業が開発したものだ。興味深いのは、この企業の本社がCIAの本部からわずか8kmの距離にあることだ。

 この事実は、米国が自国の技術が軍事転用されるのを防ぐ輸出管理の失敗を示しているのかもしれない。これまでにも、中国やロシア、イランといった国々による軍事目的の技術利用が問題視されてきたが、今回のケースはそれを象徴する出来事といえるだろう。

中国の「気球スパイ作戦」とUFO騒動の関連性

 実は、この気球だけが問題ではない。2024年12月には米国の軍事情報サイト「The War Zone」が、中国がドローンや高高度気球を使った偵察を行っていることを報じた。

 また、2023年12月にはバージニア州の米軍基地上空でドローンの大群が目撃され、ホワイトハウスでは2週間にわたる緊急会議が開催されたという。この件に関して、一部のメディアでは「UFO現象」として報道されたが、実際には中国が開発した無人偵察機や滑空機が関与していた可能性が高いとの見方もある。

 米国の一部専門家は、このような事件が「宇宙人による侵略」などとミスリードされることで、本来の安全保障問題から世論の目をそらされているのではないかと警戒している。

中国政府の公式見解

 こうした疑惑に対し、中国政府は一貫して「気球は単なる気象観測用であり、意図的なスパイ活動ではない」と主張している。中国大使館の報道官、リウ・ポンユー氏は、「気球は西風の影響で意図せず米国領空へ侵入した」とし、米国の反応を「過剰な対応」だと非難している。

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イメージ画像 Created with DALL·E

 今回の気球事件は、単なる偶然の出来事ではなく、米中間の技術競争と安全保障問題が絡み合った 「見えない戦争」 の一端を示しているかもしれない。

 今後も世界の空を巡る攻防が続くことを考えれば、映画のような話も、あながちフィクションとは言えないのかもしれない。

参考:Espacio Misterio、ほか

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