読んではいけない「史上最も呪われた本」8冊! 関係者を次々襲う悲劇、音読したら死ぬ…!?
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書籍のデジタル化を着々と進めているGoogleによれば、世界中には約1億3000万点の書籍があるといわれ、その数は過去12年間で大幅に増加しているという。だが、歴史を紐解けば“最高に呪われた本”が少なくとも8冊あるようだ。
1. ギガス写本(The Codex Gigas)
『ギガス写本』、別名「悪魔の聖書」は現存する世界最大の写本であり、おそらくこれまでに書かれた中で最も危険な本であるといわれている。
原稿の正確な起源は曖昧になっているが、専門家の指摘によればチェコ共和国になる前のボヘミア王国の時代、1204年から1230年のある時点で書かれたという。
ラテン語で書かれたこの本には、チェコとユダヤ人にまつわる歴史のテキストと共に、旧約聖書と新約聖書の両方が含まれ、幾何学、法律問題、娯楽などのトピックに関する情報も記載され、医学論文、何百もの死亡記事、いくつかの魔法の呪文、カレンダーなども記されるなど、百科事典的な色彩を帯びている。
同書をとりわけ不気味にしているのが、ページに含まれているフルカラーの悪魔の肖像画である。民間伝承によるとこの写本は、僧院で誓いを破り終身刑を宣告された僧侶によって書かれたといわれている。
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一晩の間に世界のすべての知識を含む本を書くことができれば、僧侶は免罪されたということだが、その仕事が不可能であることに気づいた時に僧侶は自分の魂を悪魔に売ったという。こうして悪魔の力によって完成したことを示すため、写本に悪魔の肖像画が加えられたというのだ。
2. ソイガの書(The Book of Soyga)
『ソイガの書』は少なくとも1500年代にさかのぼるオカルト文献で、悪魔学と占星術、魔法の呪文に加えて天使の名前と系図が含まれている。また36枚の図表に謎の暗号も記されていた。
同書の所有者は数学、物理学、化学、天文学などに通じた16世紀の博学者であるジョン・ディーで、彼は同書の暗号を解くために魔術によって大天使ウリエルと交信したといわれている。そして大天使ウリエルは、ディーに「暗号を解読した者は2年半以内に死ぬ」と伝えたという。
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ディーは1608年に81歳で亡くなっているのだが、はたしてその2年半前以内に暗号の解読に成功していたのかどうかはよくわかっていない。ディーの死後、『ソイガの書』の行方は定かではなかったのだが、1994年にイギリスで発見された。そして1998年、数学者のジム・リードが暗号の解読に成功したのだが、2年半以内に亡くなることはなかった。
3. 術士アブラメリンの聖なる魔術の書(The Book of Abramelin)
『術士アブラメリンの聖なる魔術の書』は14世紀または15世紀にまでさかのぼると考えられているユダヤ人の魔術書である。
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魔術師になるための修行法と、実際に天使と悪魔を召喚するためのハウツーが解説されているが、天使を先に召喚させてから悪魔を召喚するのは難しく、危険なリスクを伴うという。おそらくは同書を誤用して悪魔だけを召喚した者が少なくないのかもしれない。
4. 孤児の物語(The Orphan’s Story)
『孤児の物語』は1600年代初頭にスペインで書かれた孤児を主人公の小説で、著者は後にパレルモ大司教になった僧侶マルティン・デ・レオン・カルデナスであるといわれている。
同書は長い間失われたと考えられていたのだが、1965年にスペインの学者がニューヨークのヒスパニックソサエティのアーカイブに唯一残っている同書を見つけた。しかし、どういうわけか編集して出版する試みは何度も失敗し、その中には亡くなった者が3人もいたのである。こうしたことからこの小説は呪われており、出版を試みた者は死ぬという噂が広まり始めた。
ヒスパニック文学の研究者、ベリンダ・パラシオス氏が最終的に出版に漕ぎつけたのだが、教授からは「私はあなたに警告しなければなりません、小説は呪われています。あなたは以前にそれに取り組んだ人々が死んだことを知っている必要があります」と警告を受け、パラシオス氏は親友に出版前にもし自分が死んだ場合、原稿を燃やすように頼んだということだ。
しかし、幸いにも2017年に『孤児の物語』は無事に出版され、400年もの歳月を経て復刻されることになった。
5. 大奥義書(The Grand Grimoire)
1750年頃に出版されたと考えられている『大奥義書』は、悪魔や精霊などの性質や、それらを使役する方法を記した魔術書で、サタンの右腕であるルキフゲ・ロフォカーレを召喚するための詳細な説明が含まれている。
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危険な本や呪われた本としての評判につながったのは、その内容ではなく、その本の人気であった。フランスでは『大奥義書』は、19世紀に廉価本の形で広く出回り、書店で販売されたいくつかのベストセラー呪文本の1つであった。教会は同書が彼らの権威を脅かすのを恐れて、同書を教会を陥れるためのキャンペーンだと非難したことで、人々は同書を不吉で危険なものであるとみなしはじめたという。
6. 偉大なるウマル(The Great Omar)
『偉大なるウマル』は11世紀のペルシャの詩人、ウマル・ハイヤームによる四行連句のいくつかを作家エドワード・フィッツジェラルドが英訳して編纂し、1859年に出版された詩集である。
出版直後は注目を浴びなかったが、30年の歳月を経て英米でベストセラーとなり、1911年にイギリスの有名な製本会社が豪華装丁版の同書を手がけた。「BBC」によると装丁には100平方フィートの金箔、5000枚の革、そしてルビー、トパーズ、エメラルドを含む1000以上の貴重な宝石が使われたという。
豪華装丁版の『偉大なるウマル』は、豪華客船タイタニック号の船内に収蔵されたというが、残念ながら沈没後に回収されることはなかった。
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その後、製本業者のスタンリー・ブレイ氏によって2度、この豪華装丁版の『偉大なるウマル』が復刻され(1度目の本は第二次世界大戦の戦火で失われた)、第3版となる豪華装丁版が大英図書館に収蔵されている。
3度めにしてようやく消失を免れた豪華装丁版『偉大なるウマル』だが、一説によれば表紙の宝石で飾られた孔雀が不運をもたらしているのではないかという。
7. Written in Blood
1978年に出版された『Written in Blood』はハイチの政治的混乱に何年も巻き込まれたロバート・ハイヌルとナンシー・ハイヌルの作品である。
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アメリカ海軍の軍属として1959年から1963年までハイチに住んでいた夫妻だったが、「ワシントンポスト」紙によると、妻のナンシーは「ブードゥー教の信仰に没頭するようになり」、ハイチの第40代大統領フランソワ・デュヴァリエもナンシーが神秘的な力を持つ巫女であると太鼓判を押していたという。
デュヴァリエ大統領はこの本が出版される7年前の1971年に亡くなっているのだが、大統領の未亡人であるシモーヌは、すでに原稿が完成していた同書のとある描写に腹を立て、この本にブードゥーの呪いをかけたといわれている。
呪いのせいなのか、同書の出版前の段階からトラブル続きで、原稿が紛失したり製本所の機械が誤作動を起こしたり、本の宣伝キャンペーンを担当した記者は急性の虫垂炎で入院したりもしたという。
夫のロバートは演説中にステージが倒れて負傷し、さらにその数日後、大使館住居の近くを歩いていた夫妻は犬に襲われた。そして出版後わずか数カ月後の1979年5月、夫妻がフランス領西インド諸島で休暇を過ごしていたとき、夫のロバートは心臓発作で急死したのである。
8. トミノの地獄
「トミノの地獄」は日本の詩人、西条八十が1919年に発表した詩集 『佐金』に収録されている詩である。
許されない罪を犯した少年・トミノが罰として地獄に落ち、その地獄の模様が描かれた詩であるとされている。
しかし民俗学者で翻訳者のタラ・A・デブリンによると、西洋の読者はいくつかの重要な文脈の手がかりと文化的参照を見逃しており、「トミノの地獄」は、戦死した可能性のある戦場の若者の寓話である可能性が高いという。
「トミノの地獄」は寺山修司が監督した1974年の日本映画『田園に死す』に大きな影響を及ぼしているとされ、寺山修司の47歳での死は「トミノの地獄」のせいであるという言い伝えもあるという。
また、この詩を読んだ後に亡くなったと思われる大学生についての噂も広まり、作家で映画評論家の四方田犬彦が「たまたま(詩を)大声で読んだら、逃げられない恐ろしい運命に苦しんだ」とかつて言及している。こうしたことから「トミノの地獄」には決して音読してはいけないという“都市伝説”が着せられているようだ。
参考:「Mental Floss」、ほか
※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。
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