「宇宙の終わり」が始まる!?宇宙が崩壊する“ビッグクランチ”は近いのか!?

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 137億年前の“ビッグバン”以来、この宇宙は膨張を続けていると考えられているが、新たな研究によると宇宙を膨張させる力は弱まっており、膨張が止んで収縮に向かい一点に収束して宇宙が崩壊する“ビッグクランチ”がいつ起きても不思議ではないという――。

■宇宙が崩壊する“ビッグクランチ”は近いのか!?

 およそ137億年前に起こったと推定される“ビッグバン”以来、宇宙は膨らむ風船のように膨張し続けている。

 宇宙が膨張している理由を説明するために、アルベルト・アインシュタインは、物体を押し広げる「ダークエネルギー」と呼ばれる一定の力が存在するはずだと提唱した。

 科学者が「標準モデル」と呼ぶ定説では、ダークエネルギーの存在は宇宙がこの先も永遠に膨張し続けることを意味している。

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画像は「Daily Mail Online」より

 しかし一部の科学者は、重力が最終的にダークエネルギーを凌駕し、ビッグバンの逆転現象である“ビッグクランチ”で宇宙を再び1点に収束させるだろうと提唱している。

 宇宙が収縮する過程で恒星や銀河が衝突して融合し、恒星がほかの天体を次々と火だるまにする。宇宙のエネルギーは摂氏数千度に達するまで熱くなり、水素原子を自由な陽子と電子に引き裂く。

 最終的には、宇宙自体が単一の巨大な火の玉となり、すべての物質、生命、さらには時間と空間自体も巨大な重力によって最終的に破壊されることになり1点に収束するのである。

 ではこのビッグクランチはいつ起きるのか。

 米ニュージャージー州プリンストン大学プリンストン理論科学センター所長のポール・スタインハート氏によると、ビッグクランチは「驚くほど」急速に起こる可能性があるという。

 アリゾナ州のキットピーク国立天文台のダークエネルギー分光装置(DESI)は一度に5000個の異なる銀河からの光を捉えることができるきわめて先進的な望遠鏡だが、世界中の9000人の研究者の努力により、DESIのデータを活用して、これまでに作成された中で最大かつ最も詳細な宇宙の地図が作成された。

 その後、科学者たちはこの地図を、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と呼ばれるビッグバン後に残った熱や爆発する恒星からの光などの測定値と比較した。

 これにより研究者はダークエネルギーが宇宙をどれだけ強く外側に押し出しているかを計算したのだが、この極めて正確な測定によってダークエネルギーの力が時間とともに変化してきていることを突き止めたのだ。

 もしそうだとすれば、弱まりつつあるダークエネルギーが重力に圧倒され、宇宙がビッグクランチで崩壊するというシナリオはこれまで考えられてはるかに起こりやすくなっているといえる。

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 加えて一部の科学者はこれまで宇宙について想定してきたことをすべて捨て去り、新たな標準モデルを考え出す必要についても触れている。

 英紙「Daily Mail」によればバークレー国立研究所の研究者、アンドレイ・クセウ博士は「私たちは宇宙がどのように機能するかを宇宙に教えてもらう仕事をしていますが、宇宙は私たちが考えていたよりも複雑だと教えてくれているのかもしれません」と語っている。

 宇宙が膨張を止め収縮過程に向かう日は近いのだろうか。そして宇宙が崩壊するビッグクランチがもうすぐ起きるのか。さらに我々の宇宙の理解への劇的なパラダイムシフトが近く待ち受けているのかもしれない。

参考:「Daily Mail」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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