ペンタゴンがUFO神話を自作自演した本当の理由と、今なお隠される「不都合な真実」

ペンタゴンがUFO神話を自作自演した本当の理由と、今なお隠される「不都合な真実」の画像1
David B. Gleason from Chicago, IL – The Pentagon, CC 表示-継承 2.0, リンクによる

 長年、世界中の人々を魅了し、時に恐怖させてきたUFOの謎。特に米軍の秘密基地「エリア51」を巡る陰謀論は、数々の映画やドキュメンタリーの題材となってきた。しかし、その神話の多くが、実はペンタゴン(米国防総省)自身によって仕組まれた、壮大な情報操作だったことが、最近の調査で次々と明らかになっている。

 だが、これは物語の終わりではない。過去の「嘘」を認める一方で、ペンタゴンは今、より巧妙な手口で「不都合な真実」を覆い隠そうとしているのかもしれない。これは、情報公開という名の新たな隠蔽工作の始まりなのだろうか。

「UFOはいる」―秘密兵器を隠すための壮大な自作自演

 米国防総省内に設置された専門調査チーム「AARO(全領域異常解決局)」の報告書は、衝撃的な事実を暴露した。冷戦時代、ペンタゴンは自国の最新鋭兵器開発を隠蔽するため、意図的にUFOの噂を煽っていたというのだ。

 その手口は狡猾だ。例えば1980年代、ある空軍大佐はエリア51近くのバーを訪れ、客たちにUFOの写真を渡して回った。「この辺りで撮られたものだ」と囁きながら。もちろん写真は偽物だ。しかし、その写真はすぐさま店の壁に飾られ、「エリア51にはエイリアンの技術が隠されている」という憶測を一気に広める起爆剤となった。

 当時、エリア51ではステルス戦闘機のような極秘兵器の試験飛行が繰り返されていた。上空に奇妙な飛行物体が目撃されるのは当然のこと。その目撃情報を「エイリアンの仕業」というファンタジーにすり替えることで、ペンタゴンはソ連をはじめとする敵国のスパイや、詮索好きな自国民の目から、国家の最重要機密を守り抜いたのである。

ペンタゴンがUFO神話を自作自演した本当の理由と、今なお隠される「不都合な真実」の画像2
イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

軍内部に蔓延した「エイリアン研究」という名の悪ふざけ

 この情報操作は軍の内部にまで及んでいた。しかも、それは「ヘイジング(新入りいじめ)」という、信じがたい形で行われていた。

 AAROの調査によれば、「ヤンキー・ブルー計画」と呼ばれる架空の極秘プロジェクトが存在したという。新しく着任した司令官は、この計画について説明を受ける。内容は「地球外生命体の乗り物の研究」。彼らは偽のUFO写真を見せられ、「この情報を漏らせば投獄、あるいは処刑される」と固く口止めされた。

 この悪ふざけは数十年にもわたって続けられ、騙された軍人は数百人にのぼると見られている。彼らは退役後も、それが国家の最高機密だと信じ込み、固く口を閉ざし続けた。この常軌を逸した慣習に終止符が打たれたのは2023年になってからのことだったという。

すべてが嘘なのか? 消された「核とUFO」の不都合な真実

 では、UFOの目撃談はすべてペンタゴンの作り話だったのか?話はそう単純ではない。ペンタゴンは過去の嘘を認めることで「我々はクリーンになった」とアピールする一方で、説明のつかない不可解な事件については、新たな「嘘」で上書きしようとしている節がある。

 その代表例が、1967年にマルムストローム空軍基地で起きた事件だ。当時、勤務していたロバート・サラス大尉らの証言によれば、基地上空にUFOが出現した後、配備されていた核ミサイル10基がすべて機能停止に陥ったという。

 これに対し、ペンタゴンは最近になって「あれはEMP(電磁パルス)兵器の実験だった」という新説を唱え始めた。しかし、この説明には大きな矛盾がある。EMP攻撃は電子機器に恒久的なダメージを与えるものであり、一時的に機能停止させた後に正常復旧するようなものではない。そもそも、なぜ冷戦の真っ只中に、実戦配備中の核ミサイルでそんな危険な実験を行う必要があったのか。

 さらに、この種の事件はアメリカ国内に留まらない。1982年、ソ連(現在のウクライナ)でも、UFOの接近後に核ミサイルが15秒間もの発射カウントダウンに入るという、恐るべき事件が起きていた。しかし、ペンタゴンも、その意を汲んだかのような一部メディアも、自らのストーリーに合わないこれらの事実を完全に無視している。

ペンタゴンがUFO神話を自作自演した本当の理由と、今なお隠される「不都合な真実」の画像3
Image by Paweł from Pixabay

「情報公開」という名の新たな隠蔽工作

 過去の嘘を認め、一部を切り捨てることで、本当に隠したい核心部分を守り抜く。これは、情報操作の常套手段だ。ペンタゴンの今回の「告白」は、真実の解明ではなく、国民の目を逸らすための、より洗練された心理作戦なのかもしれない。

 かつてCIAがメディアを陰で操り、政府のプロパガンダを流した「モッキンバード作戦」のように、ペンタゴンは今、大手メディアを利用して「UFOの謎は、冷戦時代の悪ふざけで全て解決済み」という新たな物語を国民に刷り込もうとしているのではないか。

 ペンタゴンが流す情報を鵜呑みにするのではなく、その裏に隠された意図を読み解く必要がある。UFOを巡る真実の探求は、まだ始まったばかりなのだ。

参考:Daily Mail OnlineUnexplained MysteriesAnomalien.com、ほか

関連キーワード:, , ,
TOCANA編集部

TOCANA/トカナ|UFO、UMA、心霊、予言など好奇心を刺激するオカルトニュースメディア
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

ペンタゴンがUFO神話を自作自演した本当の理由と、今なお隠される「不都合な真実」のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング11:35更新