近づくほど小さくなる?「縮む工場」が“マトリックスのバグ”だと話題に

カナダにある一軒の廃工場が、ネット上で大きな注目を集めている。その理由は、あまりにも奇妙な目の錯覚。「近づけば近づくほど、建物が小さく見える」というのだ。この不可解な現象はSNSで瞬く間に拡散され、「まるでマトリックスのバグだ」と人々を驚かせている。
話題の現場は、カナダ・オンタリオ州ポートコルボーンの湖岸に佇む、かつて穀物倉庫として使われていた巨大な工場。125年もの間この地域を支えてきたが、2024年にその役目を終えた。しかし、廃墟となったこの場所は、思いもよらない形で新たな観光名所として生まれ変わったのである。
映像が捉えた不可解な光景「脳が混乱する!」
動画はこちらのURLから確認できる。
https://youtube.com/shorts/Y0bQm8sJwd4?si=5ZRG-6jbyGIcUBqk
SNSに投稿された動画を見ると、その奇妙な現象は一目瞭然だ。湖岸道路を車で走ると、遠くには木々や建物を遥かに見下ろす巨大な工場がそびえ立っている。常識で考えれば、近づくにつれて建物はどんどん大きく見えるはずだ。
ところが、車が工場に向かって進むと、その巨大な建物はまるで魔法のように縮み始め、しまいには遠ざかっているようにさえ見える。このあまりにも不可解な光景に、実際に体験した人々は「脳が完全に混乱する」「信じられないけど、最高の体験だ!」と興奮を隠せない。地元の元市長も、「この光景を見るために、人々は車を停め、何度もこの道を行き来する」と語るほど、多くの人を惹きつけている。

謎の正体は「脳のバグ」?ポンゾ錯視という目の錯覚
では、この「マトリックスのバグ」の正体は一体何なのだろうか。専門家によれば、これは「ポンゾ錯視」と呼ばれる有名な目の錯覚だという。イタリアの心理学者マリオ・ポンゾにちなんで名付けられたこの錯視は、人間の脳が遠近感を処理する際の「バグ」のようなものだ。
今回のケースでは、道路のラインや両脇の並木が、奥に行くほど狭まる「収束する線」となっている。私たちの脳は、こうした遠近法の手がかりを見ると、奥にある物体を「実際よりも遠くにある」と認識し、その大きさを無意識に補正しようとする。その結果、遠くにあるときは「遠くにあるのにあんなに大きいのだから、実際は相当巨大だ」と錯覚し、近づいて遠近感の手がかりが変化すると、その補正が解けて「思ったより小さい」と感じてしまうのだ。
つまり、「縮む工場」は現実世界のバグではなく、私たちの脳が作り出した壮大なイリュージョンだったのである。とはいえ、その不思議な体験は今も多くの人を魅了し、この廃工場はオンタリオ州の観光局がPRするほどの人気スポットとなっている。
参考:UNILAD、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊近づくほど小さくなる?「縮む工場」が“マトリックスのバグ”だと話題にのページです。錯視、工場などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで