中国発、200万円で買える「人工子宮」を搭載した“代理母ロボット”が世界に与える衝撃

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画像は「Oddity Central」より

 世界初の“代理母ロボット”が近く登場するという中国のニュースが賛否両論の論争を巻き起こしているという――。

■“代理母ロボット”の登場が近い!?

 妊娠出産に困難を抱えるカップルの解決策の1つに代理母出産があるが、なんと“代理母ロボット”の開発がもうすぐ完了することが中国からアナウンスされている。

 中国の科学技術メディア「Kuai Ke Zhi」は8月8日、シンガポールの南洋理工大学で博士号を取得し、革新的な代理母ロボットを開発するロボットスタートアップ企業「Kaiwa Technology」のCEOを務めるチャン・チーフォン氏へのインタビュー記事を掲載した。

 記事の中でチーフォン氏は、同社が世界初のヒューマノイド代理母ロボットの完成に非常に近づいていることを明らかにした。このロボットは、ロボット腹部モジュールに統合された高性能の“人工子宮”を搭載している。この革新的なロボットは妊娠10カ月まで妊娠し、まるで人間のように生きた赤ちゃんを出産することができるという。

 代理母ロボットの人工子宮に移植された胎児は羊水の中で育まれ、臍帯に接続されたチューブを通して栄養が供給される。チーフォン氏によると、この人工子宮は既に動物実験で大きな成功を収めており、この人型ロボットは1年以内に10万元(約1万4000ドル、約206万円)未満で発売される予定だという。

「人工子宮の技術はすでに成熟段階にあり、今度はそれをロボットの腹部に埋め込み、実際の人間とロボットが相互作用して妊娠し、胎児が体内で成長できるようにする必要があります」とチーフォン氏は「Kuai Ke Zhi」に語ったと「朝鮮日報」が報じている。

 チーフォン氏は卵子と精子がどのように受精し、胎児がどのように人工子宮に移植されるかについては具体的な情報は提供しなかったものの、彼のインタビューは中国のSNSで瞬く間に拡散し、オンラインユーザーの間で激しい議論を巻き起こした。批評家たちはこの技術を「不自然」であると非難し、胎児から実母との繋がりを奪うことは残酷で非倫理的だと指摘した。

 一方でこの人型代理母ロボットというアイデアは、自然妊娠や従来の人工授精による妊娠に苦労している人々だけでなく、この技術が女性を妊娠の束縛から解放する手段だと考える人々からは支持を得ている。

「値段が年収の半分くらいだったら、すぐに買いたい」とある人はコメントしている。

「人工授精を3回試しましたが、すべて失敗しました。(このロボットが発表された)今なら赤ちゃんを授かるチャンスがあります」と、別のユーザーは書き込んでいる。

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 世界初のヒューマノイド型代理母ロボットをめぐるネット上の論争にもかかわらず、医療専門家たちはこの技術が母体ホルモン分泌、免疫系の相互作用、妊娠中の神経発達といった人間の妊娠の重要な側面を再現できるかどうかについて懐疑的な見方を示している。これらのプロセスについては現在ほとんど分かっていないため、人工的に再現することは事実上不可能だと彼らは説明している。

 胎児が育つプロセスに寄り添うことができるという意味で代理母ロボットは画期的アイデアであるとは思うが、受胎した胎児がどのようにロボットの人工子宮に移されるのか、そもそもそんなことが可能なのかについては疑問が残るところではあるし、受精卵をいたずらに危険に晒すのは生命倫理に反することにもなる。1年以内に登場するというこの代理母ロボットについてまだまだ慎重な議論が求められていることは間違いない。

参考:「Oddity Central」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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