肛門拡張から始まった児童虐待冤罪事件とは? 未経験でも〇〇の人は刺激するだけで… 亜留間次郎が解説
【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】
肛門拡張冤罪事件
世界には子供が性的な虐待を受けていないか判定するために子供の肛門性交経験の有無を判定する方法を真面目に研究している医学者が存在します。
公的機関によるガイドラインも作られていて英国王立小児科・小児保健協会(RCPCH)が定めた「児童の性的虐待における代表的な肛門所見」があります。
児童性的虐待の診断は事情が複雑で一種類の検査だけで判断出来るようなモノではありません。
ところが、簡単に識別できると主張する雑な判定基準を作った医師のせいで冤罪事件が起きました。
その雑な判定法が「反射性肛門拡張(RAD)」です。
どんな判定法なのかと言うと、子供の肛門の周りを刺激して肛門が開いたら肛門性交の経験があると判定します。
逆に肛門が締まったら未経験者です。
この判定法を考えて導入した小児科医マリエッタ・ヒッグスはイギリスのクリーブランドにあるミドルズブラ総合病院に勤務していました。
1987年の5月から6月にかけて自分の支持者であるジェフリー・ワイアット医師と共に121件の性的虐待の疑いを診断しました。
たった2カ月で121件もの性的児童虐待事件が多発したクリーブランドはパニックになりました。
6月には病院内でもあまりに異常な診断に怒り狂った両親がジェフリー・ワイアットと喧嘩になり警察が来て騒ぎになりました。
無実の罪で子供と引き離された親は地元の神父の協力を得て抗議活動を開始、保健局が介入することになり診断が正しいのか検討するセカンドオピニオン機関が急遽設置されました。
当然のごとくマスコミも大騒ぎになって、国会議員や保健大臣まで巻き込む事件になりました。
7月9日には厚生省は法定調査委員会を設置することを発表してマリエッタ・ヒッグスとジェフリー・ワイアットは7月末には臨床現場から外され査問委員会にかけられることになりました。
結果は大誤診だったと判明して子供達は親元へ帰されました。
本当に迷惑だったのは児童虐待の疑いをかけられた親です。
事件当時は診断した医師には何の説明責任もなく、医師が児童虐待だと言えば無条件に子供を連れて行かれます。
自分が考えた最高の診断法で肛門が広がったら両親は犯罪者という魔女狩りをやってしまったのです。
乱用しまくって2カ月間で121人もやってしまい、クリーブランドの街を世界一児童虐待の多い街にしてしまいました。
異常なほど多すぎたのですぐに大問題になってバレましたが、平均的な人数よりも少し多いぐらいだったら発覚は何年も遅れたかもしれません。
しかも、当時は犯罪者扱いされた親には抗議する権利がありませんでした。
親が何もやってないと裁判所に申し立て出来るのは子供を連れて行かれてから28日後で、最長で2年間も暫定的保護命令の下に置かれ、監視されることになります。
何カ月も親子離ればなれにされた上に公的機関からも近所の人達からも犯罪者扱いされます。
児童虐待からの保護が児童虐待になる本末転倒をやってしまいました。
査問委員会がマリエッタ・ヒッグスに下した評価は惨憺たる物でした。
新しい分野に踏み込んだ新米コンサルタントであるマリエッタ・ヒッグス医師は反射性肛門拡張テストだけに過剰なまでに依存していた。
彼女は自分の考えたテストから結果ありきの結論を出していた。
そして「情報公開」のために子どもたちを両親から引き離すべきだという信念に固執しすぎていた。
彼女は自分の仕事の法医学的要素への理解を欠き、その不適切さを認識していなかった。
なんか、コレって、親がキモオタだったら犯罪者に決まってる、天才医師の私がそう診断したんだから間違いない。
子供を引き剥がして親を晒し者にしなきゃみたいな狂った正義に満ちあふれた医師だった気がしてなりません。
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