ピラミッド、ナチス、そして地球空洞説… 南極の氷の下に眠る8つの奇妙な陰謀論

雪と氷、そしてペンギン。多くの人が南極について知っていることは、おそらくその程度だろう。しかし、陰謀論の世界では、この地球最南端の大陸は、古代文明の遺跡、UFOの秘密基地、そして地球空洞説の入り口までが存在する、ミステリーの宝庫とされている。なぜ、南極はこれほどまでに多くの奇妙な憶測を呼ぶのか。その広大で未踏の氷の下に眠るとされる8つの奇妙な陰謀論を紹介しよう。
1. 古代文明が住む“オアシス”の存在
1947年、米国の飛行家リチャード・E・バードが、雪に覆われていない緑豊かな土地と凍らない湖を発見したという話から、この“オアシス”には古代文明が生き残っているという説が生まれた。しかし、現在「バンガーヒルズ」として知られるこの場所の植生は苔や地衣類のみで、もちろん古代文明の痕跡はない。
2. 古代文明が建造した“ピラミッド”

2016年、南極の雪の中から「巨大なピラミッド」が発見されたというニュースが世界を駆け巡った。その高さはギザの大ピラミッドの約3倍。しかし、その正体は、1935年にはすでに発見されていた、エルズワース山脈に属するただの「山」だった。
3. 氷の下に眠る“アトランティス大陸”
では、古代文明は氷の下に眠っているのか?この説は、1950年代に歴史家のチャールズ・ハプグッドが「1万1600年前、南極は氷に覆われていなかった」と主張したことに端を発する。陰謀論者たちは、その大陸こそが伝説の「アトランティス」だと信じている。しかし、当時の人類の技術レベルを考えると、南極に高度な文明を築くことは不可能だろう。
4. “地球空洞説”への入り口
地球の内側は空洞で、そこには地底人が住んでいるという「地球空洞説」。その神秘の世界への「入り口」が南極にあるという説だ。陰謀論者たちは、衛星写真に写る巨大な黒い穴こそがその入り口だと主張する。しかし、これもまた、ただの巨大な「隕石クレーター」であることが確認されている。

5. ナチスの“秘密基地”
第二次世界大戦後、敗北したナチスの残党がUボートで南極に逃れ、第四帝国を築いているという、根強い人気を誇る陰謀論。しかし、根拠とされる1938年の南極探検は捕鯨目的であり、戦後に投降したUボートにナチス高官が乗っていたという記録もない。
6. エイリアンの“秘密基地”
ナチスの代わりに、南極を支配しているのはエイリアンだという説。前述の「ピラミッド」はエイリアンが建造したものであり、「隕石クレーター」は地下基地への入り口だと主張される。また、南極で見つかる長方形の氷山は、UFOの滑走路だという説もある。
7. ナチスとエイリアンの“共同秘密基地”
5番と6番を組み合わせた、さらに奇想天外な物語。「ナチスはエイリアンと協力し、南極の秘密基地でUFOを開発していた」というものだ。陰謀論者によれば、1958年に米英仏の連合軍が、この基地を核攻撃で破壊したという。確かに当時、大規模な軍事作戦は行われたが、その目的はソ連との冷戦を想定した軍事演習だった。

8. そもそも“南極は存在しない”
数ある陰謀論の中でも、最も突飛なのが「南極不存在説」だろう。「地球平面説(フラットアース)」と結びついたもので、南極大陸とは、平面世界の果てにある、海水がこぼれ落ちるのを防ぐ「巨大な氷の壁」だというのだ。この説は、他のすべての陰謀論を根底から覆すが、もちろん科学的な根拠は皆無である。
広大で、近寄りがたく、そして神秘的な氷の大陸、南極。その未知なる領域が、人々の想像力をかき立て、奇想天外な物語を生み出し続けるのは、ある意味で必然なのかもしれない。科学がそのすべてを解き明かすまで、南極はミステリーの最後の聖域として、君臨し続けるのだろう。
参考:ODDEE、ほか
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