1万人が目撃した伝説の「フィオレンティーナUFO事件」― サッカーの試合を中断させた“卵型の物体”と、空から降った“銀色の糸＝エンジェルヘア”の正体とは

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　1954年10月27日、イタリア・フィレンツェ。サッカーの試合中、誰も予想しなかった衝撃的な出来事が起こった。地元の名門チーム・フィオレンティーナの試合が、なんとUFOの出現によって中断されたのだ。この「フィオレンティーナUFO事件」は、ヨーロッパ中でUFO目撃が相次いだ時期の一部であり、歴史上最も大規模かつ不可解な目撃事例の一つとして知られている。

　その日、アルテミオ・フランキ・スタジアムには、フィオレンティーナ対ピストイエーゼの試合を観戦するために約1万人の観衆が集まっていた。その全員が、上空に現れた謎の飛行物体を目撃したのである。

「卵のような形」の物体と、空から降る銀の糸

　試合は公式記録に「観客が空に何かを見たため」と記され、審判によって中断された。当時、ピッチに立っていたイタリア代表の伝説的ディフェンダー、アルディコ・マニーニ選手は、その時の様子を鮮明に覚えている。

「すべて覚えている。ゆっくり、本当にゆっくりと動く、卵のような形をしたものだった。全員が空を見上げていた。そして、空からきらきら光るもの、銀色のグリッターのようなものが降ってきたんだ。私たちは驚愕した。あんなものは見たことがなかった」

　他の目撃証言では、上空に現れたのは一つではなく、複数の奇妙な物体だったとも言われている。
さらに奇妙なことに、スタジアム周辺には謎の物質が降り注いだ。それは「天使の髪の毛＝エンジェルヘア」とも呼ばれ、触れると綿のようにふわふわしているが、すぐに蒸発して消えてしまう不思議な性質を持っていた。この物質はスタジアムだけでなく、フィレンツェの広い範囲を覆い尽くしたという。

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科学的な説明と残る謎

　この現象について、後年、ある科学的な説が提唱された。それは、空を飛んで移動するクモの集団、いわゆる「バルーニング」現象だったのではないかというものだ。クモの巣が太陽光を反射して球体のように見えた可能性があり、10月はちょうど北半球のクモが移動する時期と重なる。

　しかし、この説には決定的な矛盾がある。当時回収された「天使の髪の毛」を分析した結果、その成分はクモの巣の成分とは一致しなかったのだ。

　1万人の観衆が見上げた空に浮かんでいたのは、果たしてクモの集団だったのか、それとも未知の訪問者だったのか。物証が消え去った今、アルテミオ・フランキ・スタジアムの上空で起きた出来事は、歴史上最も詳細に記録されたUFOミステリーの一つとして、今も深い謎に包まれている。

参考：The Ancient Code、ほか

TOCANA編集部

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