謎のハバナ症候群の“凶器”をペンタゴンが確保? 外交官を廃人に追い込む「見えない銃」の正体はロシア製か

2016年、キューバのハバナに駐在する米国外交官たちが突如として激しい頭痛や吐き気、耳鳴りに襲われた。それ以来、世界各地で1000人以上の政府職員が同様の症状を訴え、現在も「ハバナ症候群として謎に包まれている。
このミステリーが今、大きな転換点を迎えている可能性がある。ペンタゴン(米国防総省)が、この症候群を引き起こしたとされる「指向性エネルギー兵器」の可能性があるデバイスを、ついに確保したというのだ。
バックパックに隠された「ロシア製部品」の正体
報道によれば、国土安全保障省(DHS)の捜査部門が2024年、潜入捜査を通じてこの装置を購入することに成功した。その価格は数千万ドル規模だったとされる。
驚くべきは、その形状と出所だ。問題の装置はバックパックに収まるほどのサイズで、持ち運びが可能な設計となっている。さらに、内部にはロシア製のコンポーネント(部品)が含まれていることが判明した。ペンタゴンはこのデバイスを1年以上かけてテストしており、捜査関係者は「ハバナ症候群の被害者が訴える症状を、この装置で再現することが可能だ」と主張している。
これまで米インテリジェンス・コミュニティ(情報機関)の多くは、外国の関与を「可能性が低い」として否定的だった。しかし、今回実物が確保されたことで、これまでの公式見解が根底から覆される可能性が出てきたのだ。
マイクロ波が脳を撃ち抜く?兵器の科学的根拠
「ハバナ症候群」の被害者の多くは、セミの鳴き声のような鋭い音や、頭を殴られるような圧迫感を感じている。科学者たちは、この正体が「パルス状の無線周波数エネルギー(マイクロ波)」ではないかと推測している。
医学的な裏付けとして注目されているのが「フレイ効果」だ。これは、強力なマイクロ波を照射されると、空気の振動(音波)がないにもかかわらず、脳が直接「音」として認識してしまう現象だ。マイクロ波が身体の組織をわずかに加熱・膨張させることで、その衝撃が直接耳の内側に届く。まさに、音のない「音響攻撃」が脳内で引き起こされているのだ。
2019年の調査では、被害者の脳構造に変化(白質の体積減少など)が見られるという報告もあり、単なるストレスや心理的要因では片付けられない「物理的なダメージ」の存在が示唆されている。

ロシア軍情報機関「GRU」の関与と深まる疑惑
誰が、何の目的でこの攻撃を行っているのか。公式な発表はないものの、複数の調査機関や元高官はロシア軍情報機関(GRU)に疑いの目を向けている。
歴史を振り返れば、冷戦時代にはソ連がモスクワの米大使館に向けて20年以上にわたりマイクロ波を照射し続けた「モスクワ・シグナル事件」があった。ロシアが長年にわたり指向性エネルギーの研究を続けてきたことは周知の事実だ。
近年の調査報道でも、被害が報告された場所にGRUの暗殺部隊「29155部隊」が居合わせていた証拠が見つかっている。ロシア側は一貫して関与を否定しているが、今回のデバイス確保は、彼らの主張を突き崩す決定打になるかもしれない。

真実を求める被害者たち:無視されてきた「目に見えない怪我」
「ハバナ症候群」は、外交上の大きな火種にもなってきた。2017年にはキューバの大使館員が半数に削減されるなど、米国の外交能力を麻痺させる実害が出ている。
被害を受けた元CIA職員の一人は、自身の受けた苦しみを一発の弾痕に見立てて「銃声(The Gunshot)」という絵画を描いた。「目に見える怪我であれば、同僚たちはもっと早く信じてくれただろう」という悲痛な思いが込められている。
今回確保された装置が、果たして本当に犯行に使われたものなのか。ペンタゴンが進めるテストの全貌はまだ明かされていないが、数ヶ月以内にはより詳しい事実が判明するだろう。見えない兵器に怯える時代から、その正体を暴き、被害者を救う時代へと進展することを願うばかりだ。
参考:Unexplained Mysteries、Big Think、ほか
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2024.10.02 20:00心霊謎のハバナ症候群の“凶器”をペンタゴンが確保? 外交官を廃人に追い込む「見えない銃」の正体はロシア製かのページです。外交官、ハバナ症候群、指向性エネルギー兵器などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで