トリノの聖骸布の姿は「未知のエネルギー」が生んだのか? 絵画説を否定する最新科学の驚くべき可能性

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By Dianelos GeorgoudisOwn work, CC BY-SA 3.0, Link

 イタリア・トリノ大聖堂に安置されている「トリノの聖骸布」。長さ4.4メートルの亜麻布に浮かび上がる磔刑に処された男の像は、数世紀にわたり人類を魅了し、また翻弄してきた。信仰の対象としてはイエス・キリストの遺体を包んだ布とされ、科学の対象としては物理学や歴史学の枠を超えた「説明不能なミステリー」として存在し続けている。

 この議論の的に、新たな一石が投じられた。メリーランド大学の化学工学者、トーマス・マカヴォイ氏が『国際考古学ジャーナル(International Journal of Archaeology)』に発表した研究結果によると、聖骸布の画像は「絵画」や「熱による焦げ」、あるいは「腐敗プロセス」では説明できず、極めて特殊な「エネルギーの放出(放射線)」によって形成された可能性が高いというのだ。

絵画説を覆す「表面わずか数マイクロメートル」の奇跡

 今回の研究の鍵となったのは、高解像度写真と紫外線誘起蛍光を用いた詳細な分析だ。マカヴォイ氏はAI(人工知能)とパターン認識技術を駆使して全ピクセルを解析。その結果、画像の情報の核心が、ピクセルの強度(色の濃淡)にのみ集中していることを突き止めた。

 特筆すべきは、その画像の浅さだ。聖骸布の画像は、亜麻布の繊維の表面わずか数マイクロメートルにしか達しておらず、裏側まで浸透していない。マカヴォイ氏は、このようなパターンを生み出せるメカニズムは、現在の科学が知る限り「放射線」以外に存在しないと指摘する。それが電磁波なのか、粒子放射線なのか、あるいは熱核的なエネルギーなのかは不明だが、従来の塗料や直接的な熱の接触では、これほど精密かつ浅い画像は再現できないという。

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画像は「Espacio Misterio」より

3D構造を内包する画像:AIが再確認した驚異の立体感

 聖骸布の画像が持つ最大の特徴の一つに、2次元の布でありながら「3D情報」が刻まれているという点がある。1976年、特殊な画像解析装置「VP-8」が聖骸布の濃淡を立体的なボリュームに変換し、世界を驚かせた。今回の最新AIによる解析でも、当時の結果とほぼ同一の立体的な浮き彫り効果が得られた。

 絵画や焦げ跡の場合、色の濃淡は単なる顔料の量や加熱時間を表すに過ぎず、被写体との距離を正確に反映した3D情報をエンコードすることは不可能に近い。マカヴォイ氏は、未知のエネルギーが放たれた瞬間、被写体と布の間の距離に応じて強度が変化し、その物理的記録が布に「焼き付いた」のではないかと推測している。

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画像は「Espacio Misterio」より

未解決の炭素年代測定と「物理的証拠」の対立

 もちろん、今回の発見ですべての決着がついたわけではない。1988年に行われた放射性炭素年代測定では、この布が中世に作られたものであるという結果が出されており、科学者の間でも意見は真っ二つに分かれている。一部の批評家は、中世の芸術家が薄浮き彫り(レリーフ)などの技法を用いて模倣した可能性を今なお主張している。

 しかし、マカヴォイ氏が提示した「放射線説」は、画像形成のプロセスそのものに物理的な説明を求めるものであり、仮に放射線が関与していたとすれば、それが炭素年代測定の結果に影響を与えた可能性すら示唆している。この謎を解くには、布そのものを用いた直接的な物理調査が必要だが、保管者側がそれを許可する機会は極めて限られているのが現状だ。

 聖骸布の画像は、人為的な模造品なのか、それとも歴史上類を見ない物理現象の記録なのか。最新科学は、私たちを答えに近づけるどころか、より深い次元の謎へと誘っているのかもしれない。

参考:Espacio Misterio、ほか

TOCANA編集部

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