【神の視点】イースター島の「モアイ製造工場」が3Dマップで公開! 到達困難エリアも丸見えに

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画像は「Three-Dimensional Mapping of the Moai (Statue) Quarry at Rano Raraku」より

 イースター島(ラパ・ヌイ)。その名を聞いて、あの巨大な石像「モアイ」を思い浮かべない人はいないだろう。

 絶海の孤島に佇み、虚空を見つめる彼らの姿は、我々の中にある「未知へのロマン」を強烈に刺激する。なぜ作ったのか? どうやって運んだのか?

 実は最近、モアイが「歩いて」移動したという現地伝説を裏付ける研究結果(ロープを使ってジグザグに歩かせる方法)が発表され、考古学界隈がざわついたのを覚えている方もいるかもしれない。

 そして今回、同じ研究チームが、さらなる偉業を成し遂げた。なんと、モアイの「製造工場」ともいえる石切り場を、超高精細な3Dマップ化し、誰でも無料で見られるようにしてくれたのだ。

 日本からイースター島へ行くのは、時間的にも金銭的にもハードルが高い。だが、この3Dマップを使えば、自宅にいながらにして「聖域」に降り立つことができる。これはちょっとした事件だ。

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画像は「Three-Dimensional Mapping of the Moai (Statue) Quarry at Rano Raraku」より

「考古学のディズニーランド」へようこそ

 今回3D化されたのは、島にある主要な石切り場の一つ、「ラノ・ララク」だ。ここには製造途中や運搬待ちのものを含め、約1000体ものモアイが眠っている。

 ビンガムトン大学の人類学者カール・リポ教授は、この場所をこう表現している。

「ここは考古学のディズニーランドのようなものだ」

 モアイ建設の大部分が行われたこの場所には、想像しうるすべての情報が詰まっている。しかし、これまでその全貌が詳細に記録されることは驚くほど少なかった。

 今回のプロジェクトが動き出したきっかけは、2023年後半に発生した大規模な山火事だった。火災による損傷を懸念した地域コミュニティが、研究チームに「後世のために記録を残してほしい」と依頼したのだ。

 チームはドローンを飛ばし、30回の飛行で計2万2000枚もの写真を撮影。「SfM(Structure-from-Motion)」と呼ばれる技術でこれらをつなぎ合わせ、驚異的な精度の3Dモデルを作り上げた。

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画像は「Three-Dimensional Mapping of the Moai (Statue) Quarry at Rano Raraku」より

人間には不可能な「神の視点」を手に入れる

 完成した3Dモデルの凄さは、単に「リアルだ」というだけではない。

 ラノ・ララクは火山の噴火口跡にあり、地形が険しく、人間が安全に立ち入ることができないエリアも多い。だが、この3Dマップなら関係ない。

 リポ教授はこう語る。

「地上からは絶対に見えないものが見えるようになる。モアイの頭頂部や側面、人間が歩いて行けないような場所まで、あらゆる角度から観察できるんだ」

 これは我々一般人だけでなく、研究者にとっても革命的だ。現場に行かずとも、石の切り出し方や微細な加工の跡を、まるで顕微鏡を覗くように、あるいは巨人の視点で空から見下ろすように分析できるのだから。

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Image by ask mediendesign from Pixabay

「ネットで見れるなら行かなくていい」は間違い?

「ネットですべて見られるなら、わざわざ遠い島まで行く観光客が減るのでは?」

 そんな心配をする島の住民もいたそうだ。確かに、Googleストリートビューで満足して旅行した気分になる、という話はよく聞く。

 だが、リポ教授の見解は逆だ。

「むしろ、これが人々を島へ向かわせるきっかけになると思う。断片的な写真を見るのと、この圧倒的な風景の広がりを体験するのとでは訳が違う。『実物をこの目で見たい』という欲求を掻き立てるはずだ」

 これは、飯テロ動画を見て「腹減った、店に行こう」となる心理に近いかもしれない。

 この3Dモデルは現在、オンラインで無料公開されている。インターネットという文明の利器が、本来の「情報の共有」という目的のために最高な形で使われた例と言えるだろう。

 モアイの謎に興味があるなら、まずはこのデジタル空間の「聖地」を散策してみてはいかがだろうか。そこには、まだ誰も気づいていない古代のヒントが転がっているかもしれない。

参考:The Daily Grail、ほか

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