交通事故で入院→体内にプルトニウム注射… 米政府が行っていた“人体実験”がヤバすぎる

「事実は小説よりも奇なり」というが、今回発覚した米政府の機密文書の内容は、下手なホラー映画よりよほど質(たち)が悪い。我々が歴史の授業で習う「マンハッタン計画」や「冷戦」の裏側で、罪もない一般市民が「人間ギニアピッグ(実験用のモルモット)」として扱われていたというのだ。
それも、本人の知らないうちに猛毒のプルトニウムを直接体内に注入されるという、正気の沙汰とは思えない方法で。今回は、機密解除によって明らかになった、米国近代史の最も暗い1ページを紐解いていこう。
交通事故で運ばれた病院が「処刑場」に変わる瞬間
この悪夢のような人体実験の犠牲者の一人が、アフリカ系アメリカ人のセメント工、エブ・ケイドだ。1945年、彼は不運にも交通事故に遭い、腕や脚を骨折してテネシー州のオークリッジ陸軍病院に担ぎ込まれた。本来なら救われるべき場所だが、そこで彼を待っていたのは治療ではなく、「プルトニウムの注入」だった。
医師たちは、彼の左腕に5マイクロキュリーのプルトニウムを注射した。これは当時の科学者が「人体が許容できる」と考えていた量の5倍、年間摂取量の実に80倍という致死レベルの線量だ。しかも、この実験の目的は「プルトニウムが体内でどう動くか」を観察するためだけのもので、ケイドには一切の説明も同意もなかった。
現場の医師の一人は「軍の命令だから従ったが、私は反対した」と後に弁明しているが、結局のところ、国家という巨大な怪物の前で、一個人の命は文字通り「使い捨てのサンプル」として処理されたのだ。ケイドは実験から8年後に亡くなったが、彼の兄弟たちが100歳を超える長寿を全うしたことを考えると、その早すぎる死の影に何があったかは想像に難くない。

4000件に及ぶ「死の追跡調査」と政府の隠蔽工作
ケイドの事例は、氷山の一角に過ぎなかった。機密解除されたファイルによれば、1944年から1974年の間に、米政府が支援した放射線人体実験は約4000件にも及ぶ。
実験の対象は、末期がん患者から囚人、さらには子供まで多岐にわたる。
胃がんの誤診: 58歳の塗装工アルバート・スティーブンスは、胃がんと誤診されたまま大量のプルトニウム238(通常より276倍も放射能が強い同等物)を打たれた。後にがんでなかったことが判明したが、彼はその後21年間、体内の放射能と共存することを強いられた。
子供への照射: 医療研究の名目で、子供たちに放射性同位体を注入するリスクの高いテストも行われていた。
「治療」という名の拷問: 70年代には、がん患者に対して「治療」と称して膨大な線量の放射線を浴びせ、軍のためのデータを収集していた。
なぜ、これほど残酷なことが許されたのか。1947年の原子力委員会のメモには、そのあまりにも身勝手な理由が記されている。「この情報を公開すれば、世論に悪影響を及ぼす恐れがあるため、秘密にせよ」。要するに、国民の命よりも「政府の体面」が優先されたのだ。

科学という名の「狂気」が残したもの
この実験を主導したのは、原爆開発に従事したマンハッタン計画の科学者や国防総省、そして名だたる大学の教授たちだった。マンモグラフィーの発明者として知られるスタッフォード・ウォーレンでさえ、1946年の機密演説で「わずか数マイクログラムのプルトニウムを吸収すれば、5年から15年以内に腫瘍ができる。これは防ぎようのない致命的な危険だ」と、その恐ろしさを完全に把握した上で実験を継続していた。
この話、どこかで聞いたような話だと思わないだろうか? 731部隊やナチスの人体実験を批判していた国が、その裏で自国民に対して同じような、あるいはそれ以上に陰湿な実験を繰り返していたのだ。
1994年、クリントン政権下でようやくこの事実が公に認められ、遺族への謝罪が行われたが、失われた命と信頼は二度と戻らない。病院で処置を受けるとき、我々は医師を信じるしかない。だが、もしその注射器の中身が、あなたの病を治すためではなく、国家の「データ収集」のためだとしたら……。
現代の我々が受けている「最新医療」や「安全基準」の影に、こうした名もなき犠牲者の叫びが隠れていることを、我々は忘れてはならないだろう。
参考:Daily Mail Online、ほか
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