紀元前のオーパーツ「アンティキティラ島の機械」は完璧な太陰暦計算機だった? 最新の統計手法が暴いた古代ギリシャの超絶技術

紀元前の古代ギリシャ人は機械式のコンピュータを開発していた――。沈没船から回収された謎の機械の用途が新たな研究で解明されている。
■紀元前の謎の機械は太陰暦計算機
1901年、地中海にあるアンティキティラ島の近くに沈没していた難破船の中から発見された謎の装置は、紀元前2世紀前後に作られたと考えられており、機械式時計に似た驚くほど複雑な歯車で構成されていた。
「アンティキティラ島の機械(Antikythera Mechanism)」と名づけられたこのメカニズムの用途と目的の解明に取り組んだ英グラスゴー大学の科学者たちは、ベイズ分析などの統計的手法に加え、重力波を研究するために開発された技術を活用し、人類史上初のアナログコンピュータであるアンティキティラ島の機械が太陰暦を計算していたという結論に至った。彼らの研究結果は2024年に『The Horological Journal』誌に掲載された。
時代と文脈を逸脱してしている人工物はオーパーツ(OOPARTS)と呼ばれているが、このアンティキティラ島の機械はまさにオーパーツであるといっても過言ではないだろう。
グラハム・ウォーン氏とジョセフ・ベイリー氏によるこの研究のきっかけは意外なものだった。YouTubeチャンネル「Clickspring」を運営するクリス・ブディセリック氏というユーチューバーが、アンティキティラ島の機械装置を再現する一連の動画を公開したことで、それを視聴したウォーン氏とベイリー氏はそれぞれの専門知識を活かしてこの装置をさらに詳しく検証することにしたのである。
「ユーチューバーのクリス・ブディセリックが入手したデータを同僚が紹介してくれました。彼はカレンダーリングのレプリカを作ろうとして、そこにいくつの穴が開いているのかを調べる方法を探っていたのです」とウォーン氏はプレスリリースで言及する。
「これは興味深い問題だと感じましたし、クリスマス休暇中に別の方法で解決できるかもしれないと思ったので、統計的手法を使ってこの問題に取り組むことにしました」(ウォーン氏)
一方、ベイリー氏はレーザー干渉計重力波観測所(LIGO)のデータ分析に用いられる手法を応用し、アンティキティラ島の機械には、おそらく太陰暦の日数に対応する354~355個の穴が、半径77.1mm(誤差1/3mm)の円形に配置されていたことを突き止めた。これは驚くべきことに各穴がわずか0.028mmの間隔で正確に配置されていることを意味する。

「これまでの研究では、この暦環は太陰暦に基づいていた可能性が高いと示唆されていましたが、今回の研究で用いた2つの手法によって、その可能性が大幅に高まりました」とベイリー氏はプレスリリースで説明している。
「この研究を通して、アンティキティラ島の機構と、ギリシャの職人たちがそれを製作するために注いだ労力と配慮に対する新たな認識が深まりました。穴の位置を正確に定めるには、非常に精度の高い測定技術と、穴を開けるための信じられないほど安定した技巧が必要だったはずです」(ウォーン氏)
歴史家たちは古代ギリシャ人がこのコンピュータを製造したと考えているが、具体的に誰がこのような驚異的な工学技術を成し遂げたのかは判然としない。ヒッパルコスやアルキメデスといった著名なギリシャの数学者が関わっていたという説も唱えられているようだ。
今日、この驚異的な紀元前のコンピュータは古代世界の驚くべき創意工夫の証として、発見場所からほど近いアテネ国立考古学博物館に展示されている。ギリシャ・アテネを訪れた際には必見のオーパーツである。
参考:「Popular Mechanics」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊紀元前のオーパーツ「アンティキティラ島の機械」は完璧な太陰暦計算機だった? 最新の統計手法が暴いた古代ギリシャの超絶技術のページです。オーパーツ、古代ギリシャ、カレンダー、太陰暦などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
