死後、意識は「並行宇宙」へ移動する!? 量子物理学が導き出す「量子不死」とは

「死んだらどうなるのか?」
人類が有史以来抱え続けてきたこの究極の問いに対し、宗教でもオカルトでもなく、最先端の「量子物理学」が、背筋の凍るような、あるいは究極の救済とも言えるひとつの仮説を提示しているのをご存知だろうか。
それが「量子不死(Quantum Immortality)」だ。
この宇宙であなたが死を迎えた瞬間、あなたの意識は「死ななかった別の並行宇宙(パラレルワールド)」へとシームレスに移行し、主観的には永遠に生き続けるというのだ。脳がバグるような多世界解釈の深淵に迫る。
観測するたびに宇宙は分裂している
この理論のベースにあるのは、1957年にプリンストン大学のヒュー・エヴェレット3世が提唱した「多世界解釈(Many-Worlds Interpretation)」だ。
量子力学の世界では、電子などの微小な物質は「観測されるまで複数の状態が重なり合っている」とされる。有名な「シュレーディンガーの猫(箱を開けるまで猫は生きている状態と死んでいる状態が重なり合っている)」の思考実験だ。
エヴェレットはこれを宇宙全体に拡張し、「観測のたびに、あり得る可能性の数だけ宇宙が枝分かれ(分裂)して増殖している」と考えた。つまり、あなたが今日のランチにカレーを選んだ宇宙と、ラーメンを選んだ宇宙が、今この瞬間も並行して存在しているということだ。
「死なない宇宙」へ意識がジャンプする?
では、この枝分かれの中に「死」というイベントが組み込まれたらどうなるか。
MITの物理学者マックス・テグマーク博士が考案した「量子自殺」という思考実験がある。
例えば、50%の確率で発射される銃を自分の頭に向けるとする。引き金を引いた瞬間、宇宙は「弾が出て死ぬ宇宙」と「弾が出ず生き残る宇宙」に分裂する。
死んだ宇宙の「あなた」の意識はそこで途絶えるが、意識は途絶えたものを認識できない。したがって、主観的な「あなた」の意識は、常に「弾が出ずに生き残った宇宙」の方だけを連続して体験し続けることになる。
これを無限に繰り返せば、客観的にはどう見ても死ぬ確率100%の状況であっても、あなたの主観意識だけは「奇跡的に生き延び続ける宇宙」を延々と渡り歩き、決して死を認識できない(=量子不死)というわけだ。
永遠に死ねない地獄
なんだか夢のような不老不死のシステムに聞こえるかもしれないが、少し想像してみてほしい。
老衰や病気で体がボロボロになっても、「奇跡的に死なない1%の可能性」の宇宙へと意識がジャンプし続けるのだ。それは決して若返るわけではなく、「死ねないギリギリの状態で永遠に苦しみ続ける」という、終わりのない無間地獄を意味するのではないか。
もちろん、この仮説には専門家からも厳しいツッコミが入っている。
ダートマス大学のピーター・ルイス教授(物理哲学)は、「意識が脳の物理的な活動に基づいている以上、ある宇宙の肉体が死ねば、その意識もその宇宙の枝に固定されたまま消滅するはずだ」と反論する。つまり、意識だけが都合よくWi-Fiのように別の宇宙へジャンプすることはあり得ないというのだ。
また、「デコヒーレンス」という現象により、分裂した宇宙同士は互いに干渉することも感知することもできないため、この理論を実験で証明することは不可能だという。

科学が到達した究極のオカルト
ピーター・ルイス教授のように、多くの科学者は量子不死を「あり得ない」と切り捨てている。しかし、多世界解釈という枠組み自体は、量子力学の奇妙な振る舞いを説明する上で今も真剣に議論され続けている。
あなたが今朝、交通事故をギリギリで回避したとしたら。それは単なる幸運ではなく、すでに数え切れないほどの「死んだあなた」の宇宙が切り捨てられ、生き残ったルートに意識がジャンプしてきた結果なのかもしれない。
我々が生きているこの現実は、無数の死の屍の上に成り立つ、ただ一つの細い糸のようなものなのだ。次に「危なかった!」と胸を撫で下ろした時、別の宇宙の自分に少しだけ黙祷を捧げてみてはいかがだろうか。
参考:Popular Mechanics、ほか
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2024.10.02 20:00心霊死後、意識は「並行宇宙」へ移動する!? 量子物理学が導き出す「量子不死」とはのページです。パラレルワールド、並行宇宙、量子不死仮説などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで