戦死したロシア兵をAIで“天使”として蘇らせる遺族たち…… 悲しみにつけ込む「死者復活ビジネス」の狂気

愛する人が突然この世を去ったとき、もう一度だけその声を聞きたい、もう一度だけ笑っている顔を見たいと願うのは、残された家族の自然な感情だろう。しかし、最新のテクノロジーがその願いを「商売」に変え、戦場の生々しい死をファンタジーで上書きし始めたとしたら、私たちはそれをどう受け止めるべきだろうか。
泥沼化するウクライナ侵攻の裏で、ロシア国内に奇妙でディストピア的な「新しい経済」が誕生している。遺族からお金を取り、戦死した兵士をAIで復活させる「デジタル・アフターライフ」ビジネスだ。
1回2万円。戦死者をAIで「天使」に変える錬金術
ロシア軍の兵士が前線で命を落とすと、悲しみに暮れる家族たちはAIクリエイターに最大約2万円を支払い、死んだはずの息子や夫の「AI画像」や「動画」を制作してもらうという。
このビジネスは、ロシア国内で生成AIツールへのアクセスが制限されているという事情を逆手に取ったものだ。あるAIクリエイターのウリアナ・レベド氏は、この「副業」だけで月に約30万〜40万円を稼ぎ出していると明かした。これはロシアの平均月収の約2倍に相当する金額だ。
彼らが作り出すAI画像の中で、戦死した兵士たちは家族に向かって穏やかに微笑み、手を振っている。中には、背中に「聖書の天使」のような白い鳩の翼を生やし、天国への階段を登っていくようなファンタジーな姿で描かれるものもあるという。
泥と血にまみれた前線の現実を、AIの力で「美しくロマンチックな英雄伝説」へと強制的に書き換えているのだ。
欠損する手足、増える指……AIの「エラー」がもたらす不気味さ
しかし、AIが作り出すのは完璧な天国だけではない。
遺族に納品された画像や動画の中には、AI特有の「バグ」が頻繁に見られるという。兵士や家族の顔が奇妙に歪んでいたり、手足が欠損していたり、逆に指が6本に増えていたりと、ホラー映画顔負けの不気味なエラーがそのまま遺族に渡されているのだ。
「デジタル・アフターライフ」を研究しているケンブリッジ大学のカタルジーナ・ノヴァチック=バシンスカ氏は、ロシア兵の「デッドボット(死者のAI)」やディープフェイク動画を作成することは「極めて複雑であり、倫理的にどう評価すべきか非常に難しい」と指摘している。
「ある意味で、私たちは今、巨大な技術的・文化的な実験の真っ只中にいるのです」と彼女は語る。


「それは幻想に過ぎない」 遺族の涙とウクライナの怒り
BBCの取材に応じたあるロシア人女性は、戦死した息子のAI写真と動画を購入したことを明かし、それが喪失感を和らげる助けになっていると語った。
しかし、彼女自身もテクノロジーの限界を理解している。「この技術で、息子をもう二度と抱きしめられないという事実を受け入れられるか? いいえ。これはただの幻想です」
一方で、この「AIによるロシア兵の美化」は、国境を越えたウクライナ側から激しい怒りを買っている。
「私たちの子供たちを殺し、血塗られた金を稼ぐために戦場へ行った『英雄』を自慢するなんて、恥を知るべきだ」と、あるウクライナ人は憤りを露わにした。
愛する者の死を乗り越えるための「セラピー」なのか、それとも侵略戦争を美化するための「プロパガンダ」なのか、あるいは遺族の悲しみにつけ込んだ「新手のビジネス」なのか。
AI技術が死の境界線を曖昧にしていく世界で、私たちは「美しい嘘」にいくら払うのだろうか。指が6本ある天使の画像が、ロシアの家庭の壁に飾られているという事実は、現代の戦争がもたらす最も不気味な狂気の一つである。
参考:Daily Star、ほか
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2024.10.02 20:00心霊戦死したロシア兵をAIで“天使”として蘇らせる遺族たち…… 悲しみにつけ込む「死者復活ビジネス」の狂気のページです。ロシア、ウクライナ、ビジネス、アフターライフ、AIなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
