宇宙人とのファーストコンタクトはパニックか、それとも無関心か… 米政府の極秘文書とSETI天文学者が語る「地球外生命体発見」

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 もし実際に地球外文明を発見したら我々はどうすべきなのか――。新たに公開された63年前のUFO関連文書によると、その時の「我々の政策は、大パニックという伝統的な方法で決定されるだろう」と警告を発している。

■宇宙人との接触はパニックを招く!?

 5月8日、米国防総省は未確認航空現象(UAP)、かつてUFOと呼ばれていた現象に関する政府文書161件を公開した。数々の文書がすでに多くのメディアやブログ、SNSで話題になっているが、その中の1つの文書は地味であるがなかなか興味深い。

 1963年に米大統領府のマックスウェル・W・ハンター2世は「space alien race question(宇宙異星人問題)」と題した覚書を作成した。6ページにわたるこの文書は、知的異星人を発見した場合の計画、火星における生命の可能性、外交政策などについて論じている。覚書全体は非常に興味深いが、特に注目すべきは、異星人とのファーストコンタクトが発生した場合の対処法に関する、極めて率直かつ大胆な結論である。

「現時点では、こうした事態に備えるための手段はおそらく何もないだろう(緊急事態においてこのテーマに関する文献はSF小説しかない)。なぜなら、実際に事態が起こらない限り、影響力のある人物は誰もこのくだらない話を真剣に受け止めないからだ。その時、我々の政策は、大パニックという伝統的な方法で決定されることになるだろう」(覚書より)

 何の兆候もなく突然エイリアンが地球を侵略してくれば、確かにパニックが起きそうにも思える。しかし単にエイリアンの存在が確認されたということであれば、案外それほどの騒ぎにはならないよう気もするがいかがだろうか。

 1997年に大気圏外から発信されたと思われる信号が検出されたことがあり当初、SETI(地球外知的生命体探査)の天文学者たちが地球外生命体の信号を発見したと思い込んでいたものの、実際にはSOHO探査機からのテレメトリー信号であることが判明した。それが判明する前にいくつかのメディアがこの信号が地球外文明のものである可能性を否定せずに報道したことがあったのだが、人々は特に取り乱すことはなかったといわれている。

 SETIの上級天文学者であるセス・ショスタック氏は「SETIで何かが検出されると、実際にはメディアからすぐに電話がかかってくるんです。この仕事に秘密はありません。たいていの場合、数時間以内には誰もが知ることになります」とかつて科学メディア「IFLScience」に語っている。

 すでに米政府は地球外生命体と接触を図っているという“陰謀論”も存在するが、ショスタック氏によればすでに透明性はじゅうぶんに確保されているということで、事実を隠し通すことはできないようだ。とすればやはり人類はこれまで地球外文明とは一切接触していないことになる。

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 63年前にハンター氏が指摘したように、エイリアンとの接触があった場合の対応策はパニックに後押しされたものになるだろうか? 確かに現代の政策的議論では、専門家を軽視してまず行動し、後で考えるという風潮がコロナ禍での件も含めて蔓延しているようにも思える。

 とはいえ実際に異星文明を発見した場合にどうすべきかを検討する、いわゆる「発見後対応プロトコル」に取り組んでいる研究者は数多く存在する。

 最適なアプローチについて明確な合意は得られていないものの、いくつかの提案は存在しており、たとえば2010年、国際宇宙航行アカデミー(IAA)は「地球外知的生命体探査の実施に関する原則宣言」を発表した。この宣言では、有力な探知があった場合、国際的な協議なしに回答すべきではないとされている。

 しかしもし我々が地球外文明からの何らかのメッセージを検知したとしても、向こうはすで我々の存在を知っている可能性もかなりありそうだ。

 もしそうだとしたら侵略するつもりであれば、入念に計画を練って突然攻めてくるだろうし、平和的に占領するつもりなら事前にコンタクトを図ってくるだろう。あるいはきわめて先進的な文明であった場合、我々はすでに気づかないうちに支配された“水槽の金魚”である可能性もあるがそれはまた別の話になる。

 ともあれ地球から最も近い恒星系でさえ4光年離れており、そこから人工的な電波信号は一切検出されていないことから、エイリアンの地球侵略の懸念は大幅に軽減されてくるのだが、エイリアンが別次元の存在であるとすればその限りではなく予断を許さない。

参考:「IFLScience」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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ツイッター @nakata66shinji

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