「ノアの方舟」の焼け焦げた残骸か!? 船形地形の地下約9mから炭化した木材が出土

旧約聖書が伝える大洪水の後、ノアの方舟が流れ着いたとされる「アララトの山々」。その麓で、方舟探しの歴史を塗り替えるかもしれない発見が報告された。地下約9mの深さから、焼け焦げた木材が掘り出されたというのだ。
舞台はトルコ東部、アララト山の南約29kmに横たわる「ドゥルピナール地形」。全長約157mの船のような形をした丘で、1959年にトルコ軍のイルハン・ドゥルピナール大尉が航空写真から見つけて以来、方舟ハンターたちの注目を集めてきた。
地下9mの「焦げた木」と羊飼いのたき火説

発見を報告したのは、この地形を調査するプロジェクト「ノアズ・アーク・スキャンズ」だ。チームは2026年9月から現地で掘削を始めていた。
創設者で副代表のアンドリュー・ジョーンズ氏は英紙デイリー・メールの取材に対し、地下約9mから焦げた木材と焦げていない木材の両方を回収したと説明。方舟の焼けた残骸を見つけた可能性があるとの見方を示した。
一方で同氏は、別の可能性も率直に認めている。何百年も前、方舟の残骸を雨宿りに使った羊飼いが、それと知らずにたき火をした跡かもしれないというのだ。チームは意図的な火のほか、落雷や火山活動で焼けた可能性も挙げている。
興味深いのは、聖書でノアが方舟の内外に「やに(ピッチ)」を塗るよう命じられている点だ。防水材であるピッチは燃えやすい。さらにチームによれば、木は炭化すると土の中で分解が遅くなるため、火災がかえって残骸を保存した可能性もあるという。サンプルはすでに年代と樹種の特定に回されている。
3層の地下構造と46mのトンネル
今回の掘削は、数年来のレーダー調査の延長線上にある。2026年には、米国の防衛分野で長年働いてきた科学者コスロー・バクタール博士が、米空軍の研究から生まれた高出力の地中レーダーで地形内部を調べた。
報告によれば、地下には5つの目立つ構造が並び、長さ約46m、平均の高さ4m超のトンネルのような空間を形づくっていた。さらに3つの層からなる厚い地層も見つかり、トルコのスィヴァス・ジュムフリイェト大学の考古学者ジェンケル・アティラ博士は、聖書に描かれた「3階建ての方舟」との符合を指摘している。
バクタール博士は、地質由来の特徴を取り除いて解析しており、自身の45年のキャリアで最も重要な発見だとの考えを示した。チームはまた、地形の内側の土壌は外側に比べ有機物が約3倍、カリウムが38%多いと主張。地下に岩盤や石灰岩が見当たらなかったことも、自然地形説への反証だとしている。

「100%人工物」の主張は検証に耐えるのか
チームは、この地形が自然の産物ではなく人工物だと100%確認したと強気だ。ただ、多くの地質学者は今も自然の地形だとみている。過去の調査でも土と岩しか見つからず、自然地形と結論づけられた経緯がある。
レーダーの画像は地下の部屋を撮影した写真ではなく、物質の境界に信号がどう反応したかを示すデータにすぎない。自然地形説を退けたとしても、それだけで人の手による船だと証明されるわけではない。ジョーンズ氏自身も、今回の発見は決定的な証拠ではなく、有力な新しい手がかりにとどまるとの立場だ。
すべては、回収された木材の分析結果にかかっている。もし年代が一部の聖書年代学が大洪水の時期とする約4300年前にまで遡るとしたら——アララトの麓に眠る船形の丘は、人類最古の物語の一ページを本当に抱えているのかもしれない。
参考:LADbible、New York Post、Daily Mail
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